潜伏
「潜伏中」などのように使う「潜伏」という言葉。
「潜伏」は、音読みで「せんぷく」と読みます。
「潜伏」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「潜伏」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
潜伏の意味
「潜伏」には次の二つの意味があります。
1見つからないように、ひそかに隠れること。
2体内に侵入した病原体が、まだ病気を起こさないでいること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
潜伏の意味①「見つからないように、ひそかに隠れること。」
潜伏の一つ目の意味は「見つからないように、ひそかに隠れること。」です。
「犯人が潜伏している」などの場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・これがきっかけとなって付近に潜伏していた浮浪者がわっと押しかけた。
(出典:新田次郎『新田義貞(下)』)
・名前をかえてこんな場所に潜伏していたのである。
(出典:横溝正史『花髑髏』)
・一年近い潜伏生活は、もう終わりにするつもりだった。
(出典:賀東招二『フルメタル・パニック!11 ずっと、スタンド・バイ・ミー(上)』)
・犯人は現場から車で三十分の地域内に潜伏してると考えられます。
(出典:黒川博行『二度のお別れ』)
類語
・息を殺す(いきをころす)
意味:呼吸の音もさせないで、じっとしている。(出典:デジタル大辞泉)
・逃げ隠れ(にげかくれ)
意味:逃げ隠れること。(出典:デジタル大辞泉)
・隠れ蓑(かくれみの)
意味:実体を隠すための手段。(出典:デジタル大辞泉)
・潜る(もぐる)
意味:人に知られないように身を隠す。特に、官憲の目を逃れて隠れひそむ。(出典:デジタル大辞泉)
潜伏の意味②「体内に侵入した病原体が、まだ病気を起こさないでいること。」
「潜伏」の二つ目の意味は「体内に侵入した病原体が、まだ病気を起こさないでいること。」です。
ウィルスを体に取り込んでいながら、まだ病気を発症していないときに「潜伏期間」などということが多いです。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・でもその潜伏期間の最後の数日間、感染者はすでに発病の一歩手前にあるわ。
(出典:エディングス『マロリオン物語5 疫病帝国』)
・十五日の潜伏期間ぴったりで発病したのだ。
(出典:三好徹『狙撃者たちの夏サミット・コンフィデンシャル』)
・全員の潜伏期間と発症時期が同期を取ったとしか思えない。
(出典:谷川流『4 涼宮ハルヒの消失』)
・たとえ何日か潜伏期間があっても、もう症状が現れていい筈ではないか。
(出典:田久保英夫『深い河』)
類語
・悪い予感(わるいよかん)
意味:この先、悪いことが起きそうな気がする、といった予感。不吉な予感。(出典:実用日本語表現辞典)
・きな臭い(きなくさい)
意味:戦争・動乱などの起こりそうな気配がする。(出典:デジタル大辞泉)
・前触れ(まえぶれ)
意味:何か事が起こるのを予想させるような出来事。前兆。(出典:デジタル大辞泉)
・嵐の前の静けさ(あらしのまえのしずけさ)
意味:暴風雨が襲来する前に辺りが一時静まり返るところから、変事が起こる前の不気味な静けさをいう。(出典:デジタル大辞泉)