ほとほと
「ほとほと嫌になる」などのように使う「ほとほと」という言葉。
「ほとほと」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ほとほと」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
ほとほとの意味
「ほとほと」には次の意味があります。
・切実であるさまを表わす語。苦しい事態や悪い状況が続いて、困惑したり、うんざりしたりする場合にいうことが多い。ほんとうに。まったく。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「ほとほと嫌になる」で「本当に、心の底から嫌になる」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・お宅に連れていかれたのがわかって、私はほとほと困ってしまいました。
(出典:ディケンズ/青木雄造,小池滋訳『荒涼館』)
・中学に入った頃から、そんな努力がほとほと嫌になったのであろう。
(出典:浅野誠『ビジネスマンの精神病棟』)
・ガリオンはほとほといやになって、逃げだすことを本気で考えはじめた。
(出典:エディングス『ベルガリアード物語1 予言の守護者』)
・あのかたの詩といい散文といい、あたくしほとほと閉口しておりますわ。
(出典:モリエール/鈴木豊訳『人間ぎらい』)
・この転換の極端さには、自分の国の歴史ながら、ほとほと感心してしまう。
(出典:養老孟司『無思想の発見』)
類語
・切実(せつじつ)
意味:心に強く感じるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・非常(ひじょう)
意味:並の程度でないさま。はなはだしいさま。(出典:デジタル大辞泉)
・強い(つよい)
意味:程度や度合いが大きい、また、はなはだしい。(出典:デジタル大辞泉)
・極度(きょくど)
意味:物事の程度が、それ以上にはならない限界のところ。また、その程度。極端。極限。かぎり。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・殊更(ことさら)
意味:格別であること。とりわけはなはだしいさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)