稚魚
「いわしの稚魚」などのように使う「稚魚」という言葉。
「稚魚」は、音読みで「ちぎょ」と読みます。
「稚魚」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「稚魚」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
稚魚の意味
「稚魚」には次の意味があります。
・魚類の仔魚(しぎょ)が変態した次の発育段階。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
わかりやすく言えば「卵からかえったばかりの魚」という意味です。
例えば、ウナギやヒラメなどは、成魚とは全く違う姿の仔魚の形態から稚魚へと変態し、成魚になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・白い洗面器に三十尾程度の稚魚を入れると、兄は慎重に選別してゆく。
(出典:吉村昭『羆』)
・今年いれたヒメマスの稚魚も群れをなして潜んでいる場所である。
(出典:矢口純『酒を愛する男の酒』)
・こういう稚魚はちゃんと大きく育ててから獲ったほうが質量ともに人間のためになる。
(出典:塩田丸男『天からやって来た猫』)
・若主人は一尾も無駄を出さないようにして三千尾の稚魚を池に入れた。
(出典:井伏鱒二『黒い雨』)
・沿岸の稚魚は、工業化が急速に進んだ台湾よりもこれらの地域の方が安定供給できるらしいのだ。
(出典:足立倫行『アジア海道紀行』)
類語
・幼魚(ようぎょ)
意味:卵からかえって間もない魚。(出典:デジタル大辞泉)
・未熟(みじゅく)
意味:果実・作物などがまだ熟していないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・仔魚/白子(しらす)
意味:イワシ類、アユ、ウナギ、アナゴなど孵化(ふか)した仔魚(しぎょ)の変態末期から稚魚期の幼生の総称。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・稚樹(ちじゅ)
意味:若芽から生長したばかりの樹木。小さくて若い木。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・雛(ひな)
意味:孵化して間もない鳥の子。(出典:精選版 日本国語大辞典)