格闘
「難題と格闘する」などのように使う「格闘」という言葉。
「格闘」は、音読みで「かくとう」と読みます。
「格闘」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「格闘」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
格闘の意味
「格闘」には次の二つの意味があります。
1 組み合ってたたかうこと。とっくみあい。くみうち。
2 困難な物事に一生懸命に取り組むこと。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
格闘の意味①「組み合ってたたかうこと。とっくみあい。くみうち。」
「格闘」の一つ目の意味は「組み合ってたたかうこと。とっくみあい。くみうち。」です。
実際に相手と組み合い、たたかうことを表します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・また自分が格闘家となって世界の強豪たちと戦う姿を想像するのも楽しい。
(出典:大槻ケンヂ『のほほん雑記帳』)
・被害者の身体に防御損傷や格闘痕跡は認められないというものである。
(出典:森村誠一『山の屍』)
・しかし、激しい格闘を演じないでは敵の前に倒れないぞと、決心した。
(出典:宍戸儀一『フランケンシュタイン』)
・私は激しい格闘でもした人のようにぐったりとなって壁によりかかった。
(出典:金史良『光の中に』)
類語
・取っ組み合い(とっくみあい)
意味:互いに組みつきあって争うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・組討ち(くみうち)
意味:互いに組み合って争うこと。取っ組み合い。(出典:デジタル大辞泉)
・格闘技(かくとうぎ)
意味:互いに組み合ったり打ち合ったりして勝負を争う競技。ボクシング・レスリング・柔道・相撲など。格技。体技。(出典:デジタル大辞泉)
・喧嘩(けんか)
意味:言い合ったり殴り合ったりしてあらそうこと。(出典:デジタル大辞泉)
格闘の意味②「困難な物事に一生懸命に取り組むこと。」
「格闘」の二つ目の意味は「困難な物事に一生懸命に取り組むこと。」です。
こちらの意味では、実際に人と組み合うことではなく、人や物事に懸命に取り組むことを指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それらの計算式と格闘するのが、学校から帰宅した後の彼の日課だった。
(出典:東野圭吾『容疑者Xの献身』)
・何とかして重い弾薬箱を持っていこうと格闘している者も何人かいる。
(出典:オーウェル/高畠文夫訳『カタロニア讃歌』)
・みんな人間と生まれたからには食と関わり、日々の生活と格闘している。
(出典:和田はつ子『薬師』)
・その巨大なオムレツと格闘している最中に、また料理が運ばれて来た。
(出典:柴田よしき『好きよ』)
類語
・根を詰める(こんをつめる)
意味:一つの物事を、精神を集中させて、続けて行う。(出典:デジタル大辞泉)
・寝食を忘れる(しんしょくをわすれる)
意味:物事に熱中して、寝ることも食べることも忘れる。物事を熱心にするさまにいう語。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・切(せつ)
意味:ひたすらなさま。それを思うことがしきりで強いさま。そのことに一途にとらわれるさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・終始(しゅうし)
意味:同じ態度・状態・内容などが、始めから終わりまで続くこと。(出典:デジタル大辞泉)