幸甚
「幸甚に存じます」などのように使う「幸甚」という言葉。
「幸甚」は、音読みで「こうじん」と読みます。
「幸甚」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「幸甚」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
幸甚の意味
「幸甚」には次の意味があります。
・ひじょうにありがたいこと。なによりのしあわせ。多く手紙文に用いられる。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「幸甚」をわかりやすく言うと「とても嬉しく幸せなこと」という意味になります。
ビジネスメールなどフォーマルな場面で使われることが多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ご多忙のところ申し訳ございませんが、ご一報いただければ幸甚に存じます。
(出典:大塚公子『57人の死刑囚』)
・この内容を、警視庁犯罪捜査課までご連絡いただければ幸甚であります。
(出典:ベントリー/宇野利泰訳『トレント最後の事件』)
・「二三分ご引見願えれば幸甚です」 封筒に名刺をいれて封じ、それを執事にわたした。
(出典:クリスティ/松本恵子訳『機上の死』)
・炬燵に入ってTVを見ることの幸甚を理解できない人間がいるとは、女子大学生の波多野は想像してもみなかった。
(出典:姫野カオルコ『蕎麦屋の恋』)
・何かそういう材料にお心当りの方があったら、ご教示をいただければ幸甚である。
(出典:中谷宇吉郎『雪の化石2』)
類語
・忝い(かたじけない)
意味:身に受けた恩恵などに対して、感謝の念でいっぱいであるさま。身にすぎて、ありがたい。(出典:デジタル大辞泉)
・有難い(ありがたい)
意味:人の好意などに対して、めったにないことと感謝するさま。(出典:デジタル大辞泉)
・深謝(しんしゃ)
意味:心から感謝すること。ふかく感謝すること。(出典: 精選版 日本国語大辞典 )
・ときめき
意味:期待、心配、喜び、恥じらいなどの強い感情で、胸がどきどきすること(出典:精選版 日本国語大辞典)
・心が弾む(こころがはずむ)
意味:楽しさや明るい希望などのために心が浮き浮きする。(出典:精選版 日本国語大辞典)