奇をてらう
「奇をてらった作戦」などのように使う「奇をてらう」という言葉。
「奇をてらう」は、音読みで「きをてらう」と読みます。
「奇をてらう」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「奇をてらう」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
奇をてらうの意味
「奇をてらう」には次の意味があります。
・わざと普通と違っていることをして人の注意を引こうとする。(出典:デジタル大辞泉)
「奇をてらう」を分かりやすく言うと「人の気を引くために、わざと変わったことをすること」という意味です。「奇をてらう」は本来は「奇を衒う」と表記します。「衒う(てらう)」と同じような読み方の「狙う」を用いた「奇を狙う」という表現は誤りですので、注意しましょう。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・雑器の美などいえば、如何にも奇を衒う者のようにとられるかも知れぬ。
(出典:柳宗悦『民芸四十年』)
・模倣を通過しない技能は奇を衒う破目に陥りやすく、実を結ばないことのほうが多いのだ。
(出典:里中哲彦『鬼平犯科帳の人生論』)
・私が考えたようなロマンチックな遊び心や、奇を衒う気持からではなかった。
(出典:西村京太郎『夜が待っている』)
・文字どおり、奇を衒うような行為。
(出典:多島斗志之『症例A』)
・別に気どるわけでもなく、奇を衒うわけでもなく、次のような衣裳を日常生活の中に持ち込んでいたブレヒトは、多分衣裳を「形而下棒」に転化させることを知悉していたといえるだろう。
(出典:山口昌男『道化的世界』)
類語
・人気取り(にんきとり)
意味:世間や周囲の人気を得ようとすること。また、それが巧みな人。(出典:デジタル大辞泉)
・売名(ばいめい)
意味:自分の名前が世間に知れわたるようにと努めること。見栄や利得のために名声を広めようとすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・スタンドプレー
意味:世間の注目を集めようとして意識的に行なう行為。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・パフォーマンス
意味:人目を引くためにとる行動。目立つようにことさらにする行為。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・奇想天外(きそうてんがい)
意味:思いもよらないような奇抜なこと。(出典:四字熟語を知る辞典)