五十歩百歩
「テストの点数を張り合っているが、五十歩百歩だ」などのように使う「五十歩百歩」という言葉。
「五十歩百歩」は、音読みで「ごじっぽひゃっぽ」と読みます。
「五十歩百歩」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「五十歩百歩」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
五十歩百歩の意味
「五十歩百歩」には次の意味があります。
・少しの違いはあっても、本質的には同じであるということ。(出典:デジタル大辞泉)
「五十歩百歩」は故事成語のひとつです。
「戦争の際に100歩逃げてしまった兵士のことを、50歩しか逃げなかった兵士が臆病者だと笑ったが、どちらも大した差はない」というところからきています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・一部始終を話したところで、どうせ他人には五十歩百歩の事情である。
(出典:姫野カオルコ『変奏曲』)
・標準が美醜から才能へ変つたところで、五十歩百歩のことである。
(出典:坂口安吾『新らしき性格感情』)
・すなわち精神病者と五十歩百歩の人間でない者は居ないのだ。
(出典:夢野久作『ドグラ・マグラ』)
・それが良くても、悪くても結局は五十歩百歩であるからである。
(出典:戸川秋骨『翻訳製造株式会社』)
・五十歩百歩、迷惑をかけるのがほんの少し先送りになるだけではないか。
(出典:山田風太郎『死言状』)
類語
・団栗の背比べ(どんぐりのせいくらべ)
意味:どれもこれも平凡で、特にすぐれて目立つものがないことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・大同小異(だいどうしょうい)
意味:小さな違いはあっても、大体が同じであること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・似たり寄ったり(にたりよったり)
意味:互いに優劣・差異などがほとんどないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・どっこいどっこい
意味:両者の力・勢いなどが互いに同じ程度で優劣がないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・五分五分(ごぶごぶ)
意味: 互いに優劣や可否のないこと。半分半分であること。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)