境界
「隣国との境界」などのように使う「境界」という言葉。
「境界」は、音読みで「きょうかい」と読みます。
「境界」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「境界」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
境界の意味
「境界」には次の二つの意味があります。
1 土地のさかい。
2 物事のさかい。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
境界の意味①「土地のさかい。」
「境界」の一つ目の意味は「土地のさかい。」です。
「境界」をわかりやすく言うと「ある土地とある土地との境目」という意味になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・スペインのこの傾向はまたあの有名な境界線の問題にも現われている。
(出典:和辻哲郎『鎖国日本の悲劇 (前編)』)
・そその翌日、若い二人はまたいつもの時間に、森の境界の所で会いました。ルイジのほうが先に来ていました。
(出典:アレクサンドル・デュマ/泉田武二訳『モンテ・クリスト伯』)
・わずかな庭のスペースをへて、敷地の南側で接している隣家との境界だ。
(出典:片岡義男『道順は彼女に訊く』)
・その境界は六四度線と六五度線のあいだでインディアン地域に接している。
(出典:ヴェルヌ/大久保和郎訳『グラント船長の子供たち(上) 地の果ての燈台』)
類語
・国境(こっきょう)
意味:国と国との境。(出典:デジタル大辞泉)
・界線(かいせん)
意味:二つの地域の境界を表す線。(出典:デジタル大辞泉)
・外辺(がいへん)
意味:外側。外囲い。(出典:デジタル大辞泉)
・方図(ほうず)
意味:限度。際限。(出典:デジタル大辞泉)
境界の意味②「物事のさかい。」
「境界」の二つ目の意味は「物事のさかい。」です。
「境界」をわかりやすく言うと「物事や人々、気持ちなどを分ける境目」という意味になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・物に名前が付くとそこに境界が生まれ初めて一つの物として認識される。
(出典:ZUN『東方香霖堂 ~Guriosities of Lotus Asia』)
・良心が形成せられる正常な過程も、以上に叙述した異常過程と酷似しているに違いない。両者の境界を確立しようとするわれわれの試みはまだ成功していない。
(出典:フロイト/高橋義孝訳『芸術論』)
・アメリカで、文明の境界地帯のいたるところに見られるような家だった。
(出典:スタンレー/宮西豊逸訳『黒い大陸』)
・もう一つの心は、個人と個人との境界を無視した温い抱擁的なものだった。
(出典:豊島与志雄『反抗』)
類語
・差異(さい)
意味:ちがい。(出典:デジタル大辞泉)
・分界(ぶんかい)
意味:境目をつけて分けること。また、その境目。(出典:デジタル大辞泉)
・線引き(せんびき)
意味:線を引くこと(出典:デジタル大辞泉)
・分目(わけめ)
意味:分けたところ。区切りをつけた箇所。さかいめ。また、区別。(出典:精選版 日本国語大辞典)