未熟
「未熟な人」などのように使う「未熟」という言葉。
「未熟」は、音読みで「みじゅく」と読みます。
「未熟」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「未熟」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
未熟の意味
「未熟」には次の二つの意味があります。
1 果実・作物などがまだ十分に熟していないこと。また、そのさま。
2 学問や技術などの経験・修練がまだ十分でないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
未熟の意味①「果実・作物などがまだ十分に熟していないこと。また、そのさま。」
「未熟」の一つ目の意味は「果実・作物などがまだ十分に熟していないこと。また、そのさま。」です。
わかりやすく言うと「果物や作物などが十分に熟しているとは言えず、食べるためや商売などが可能になる前の状態」という意味です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この緑色の時は内部の種子なお未熟の際ですから柔かで生で食べられます。
(出典:牧野富太郎『植物記』)
・シロッケの卵にわ未熟なものが多いが、ブナッケには未熟なものわ無い。
(出典:知里真志保『和人わ舟お食う』)
・新ジャガも新キャベツも新玉ネギも、食べてみるとそれほどおいしいものではない。いずれも新鮮ではあるが水気が多く、野菜の味として未熟なところがある。
(出典:東海林さだお『キャベツの丸かじり』
・とたんに豚さえ見向きもしそうにない未熟の穂を摘むのがいやになった。
(出典:加藤幸子『夢の壁・北京海棠の街』)
類語
・生熟(せいじゅく)
意味:なまであることと熟していること。みのらないものとみのったもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・生熟れ(なまうれ)
意味:果物などで、十分熟していないもの。(出典:デジタル大辞泉)
・不熟(ふじゅく)
意味: 作物・果実などが熟していないこと。成熟しないこと。作物の出来の悪いこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・青い(あおい)
意味:人格・技能や振る舞いなどが未熟である。(出典:デジタル大辞泉)
未熟の意味②「学問や技術などの経験・修練がまだ十分でないこと。また、そのさま。」
「未熟」の二つ目の意味は「学問や技術などの経験・修練がまだ十分でないこと。また、そのさま。」です。
わかりやすく言うと「学問や技術、運動、武道などの関して、まだ経験や練習、稽古、修行などが十分ではない状態」という意味です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・夫が死んだ場合には、女は未熟な家族を管理していかねばならない。
(出典:スタンダール/白井浩司訳『恋愛論』)
・それはなにかというと、やはり自身の未熟を自身知っていることだった。
(出典:吉川英治『宮本武蔵』)
・食事の間に父の作った笑顔は、未熟な私を少し安心させる力があった。
(出典:秋山加代『辛夷の花──父 小泉信三の思い出──』)
・その異常を最近まで観測者の未熟のなせるわざとしていたのであると。
(出典:アン・マキャフリイ『パーンの竜騎士シリーズ(全16巻) 3 白い竜』
類語
・半可(はんか)
意味:未熟なこと。中途はんぱな状態であること。また、そのさま。なま。なまはんか。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・不熟(ふじゅく)
意味:熟練していないことやそのさま。また、物事がよく整っていないこと、こなれていないことやそのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・生半熟(なまはんじゅく)
意味:十分に熟達してないこと。また、そのさま。未熟。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・不慣れ
意味:なれていないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)