漁夫之利
「漁夫之利を得る」などのように使う「漁夫之利」という言葉。
「漁夫之利」は、音読みで「ぎょふのり」と読みます。
「漁夫之利」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「漁夫之利」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
漁夫之利の意味
「漁夫之利」には次の意味があります。
・両者が争っているのにつけ込んで、第三者が利益を横取りすることのたとえ。
(出典:デジタル大辞泉)
「漁夫」は「猟師」のことであり、「漁夫の利」は、シギという水鳥とハマグリが争っている間に猟師が両方とも捕まえてしまった、という故事に由来する言葉です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・魏に漁夫の利を占めさせるなどは、実に愚の骨頂というものである。(出典:吉川英治『三国志』)
・この次の機会にこそ、日本は漁夫の利をしめるか、さもなければ大漁祝いのわけ前にありついて
(出典:宮本百合子『便乗の図絵』)
・漁夫に利を与えてまた足利にしてやられてはならぬ(出典:中里介山『大菩薩峠』)
・両者の争いに付け込んで漁夫の利を得た。
類語
・銭儲け(かねもうけ)
意味:金をもうけること。(出典:デジタル大辞泉)
・小股を掬う(こまたをすくう)
意味:他人のすきを利用して自分の利を図る。(出典:デジタル大辞泉)
・受益(じゅえき)
意味:利益を受けること。(出典:デジタル大辞泉)
・漁利(ぎょり)
意味:漁業の上での利益。また、「漁夫の利」の略。(出典:精選版 日本国語大辞典)