唯心
「唯心思想」などのように使う「唯心」という言葉。
「唯心」は、音読みで「ゆいしん」と読みます。
「唯心」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「唯心」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
唯心の意味
「唯心」には次の意味があります。
・仏語。すべての存在は心の現れであって、ただ心だけが存在するということ。すべての根源が精神にあるとし、精神を中心に考えること。(出典:デジタル大辞泉)
仏教の言葉ではありますが、哲学で使われることも多く、プラトン、ライプニッツ、ヘーゲルらが代表的な唯心論の哲学者になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・音楽が私を夢中にさせる功徳を、ただ唯心的にのみ私は取らない。
(出典:高村光太郎『触覚の世界』)
・神を否定する唯物思想もいけなければ、また物質の価値を全く否定したような唯心思想もいけないわけです。
(出典:高神覚昇『般若心経講義』)
・彼らが戦うに当たって唯一のよりどころを、唯心的なものに求める以外になかったのは、時間とより優れた武器を与えられることがなかったからである。
(出典:御田重宝『特攻』)
・唯心を籠めて浄い心身を基督に献じる機ばかりを窺っていたのだ。
(出典:有島武郎『クララの出家』)
・作者が婦人の生活力の高揚ということについては、唯心的に内面的にのみ重点を置いて見ていたことが感じられる。
(出典:宮本百合子『「或る女」についてのノート』)
類語
・形而上(けいじじょう)
意味:形をもっていないもの。時間・空間の形式を制約とする感性を介した経験によっては認識できないもの。超自然的、理念的なもの。(出典:デジタル大辞泉)
・心気(しんき)
意味:心持ち。気持ち。気分。(出典:デジタル大辞泉)
・イメージ
意味:心に思い浮かべる像や情景。ある物事についていだく全体的な感じ。(出典:デジタル大辞泉)
・イデー
意味:理念。(出典:デジタル大辞泉)
・心象(しんしょう)
意味:心の中に描き出される姿・形。心に浮かぶ像。イメージ。(出典:デジタル大辞泉)