到底
「到底追いつけない」などのように使う「到底」という言葉。
「到底」は、音読みで「とうてい」と読みます。
「到底」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「到底」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
到底の意味
「到底」には次の意味があります。
・どうやってみても。どうしても。(出典:デジタル大辞泉)
「到底」の後には「〜できない」など打ち消しの言葉が続きます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・一旦この中へ入ったら、再び地上に出ることは到底不可能であろう。
(出典:久生十蘭『魔都』)
・このような静かさは到底田舎では得られない静かさである。
(出典:寺田寅彦『田園雑感』)
・名状すべからざる美を持っていて到底再現する事は出来ない。
(出典:高村光太郎『人の首』)
・私には到底当時の私の位置を、再現するだけの勇気がございません。
(出典:芥川竜之介『二つの手紙』)
・彼は到底このままの節子との関係を長く持ち続けて行くことの出来ないのを思った。
(出典:島崎藤村『新生』)
類語
・所詮(しょせん)
意味:最後に行き着くところを述べるときに用いる。どうこう言っても結局は。つまるところ。多く、否定的な意味の語句を伴って用いる。(出典:デジタル大辞泉)
・皆目(かいもく)
意味:あとに打消しの語を伴って、強く否定する気持ちを表す。まるっきり。全然。(出典:デジタル大辞泉)
・微塵(みじん)
意味:すこしも。けっして。微塵も。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・全く(まったく)
意味:打消しの語を伴って、完全な否定の意を表す。決して。全然。(出典:デジタル大辞泉)
・箸にも棒にもかからない(はしにもぼうにもかからない)
意味:程度がひどすぎて使いようがないこと。取り扱いようがなく、どうしようもないことをいう。(出典:とっさの日本語便利帳)