こそばゆい
「背中がこそばゆい」などのように使う「こそばゆい」という言葉。
「こそばゆい」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「こそばゆい」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
こそばゆいの意味
「こそばゆい」には次の二つの意味があります。
1 くすぐられたような、むずむずした感じである。くすぐったい。
2 実力以上に評価されなどして、きまりがわるい。てれくさい。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
こそばゆいの意味①「くすぐられたような、むずむずした感じである。くすぐったい。」
「こそばゆい」の一つ目の意味は「くすぐられたような、むずむずした感じである。くすぐったい。」です。
体や心がくすぐったいような状態のことです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・何かこそばゆいような話であるが、それを手にして撮影に行った。
(出典:赤瀬川原平『じろじろ日記』)
・所謂いわゆる婦人連に会ったが何だかこそばゆい様な気持にばかりなって来た。
(出典:宮本百合子『日記』)
・おれはこそばゆい思いをしながらただ舐められているだけだった。
(出典:井上ひさし『ドン松五郎の生活』)
・しかし、老人の掛けていたという机の上で仕事をしていると、何かこそばゆい気持がした。
(出典:山本有三『路傍の石』)
類語
・くすぐったい
意味:くすぐられるなど、皮膚が刺激を受けて、むずむずした感じがするさま。こそばゆい。(出典:デジタル大辞泉)
・むず痒い(むずがゆい)
意味:からだがむずむずするようにかゆい。(出典:デジタル大辞泉)
・そわそわ
意味:気持ちや態度が落ち着かないさま。(出典:デジタル大辞泉)
こそばゆいの意味②「実力以上に評価されなどして、きまりがわるい。てれくさい。」
「こそばゆい」の二つ目の意味は「実力以上に評価されなどして、きまりがわるい。てれくさい。」です。
過大評価されて嬉しくもありながら恥ずかしい気持ちにもなることです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・多少の自信はあるが、面とむかって名手などと呼ばれてはこそばゆい。
(出典:藤沢周平『よろずや平四郎活人剣(上))
・酒を飲みながら、こちらのケツがこそばゆくなるようなことをいろいろ言っていた。
(出典:伊岡瞬『いつか、虹の向こうへ』)
・屈強が洋服を着たような男にそういわれると、なんだかこそばゆい。
(出典:江國滋『アメリカ阿呆旅行わん・つう・すりー』)
・私が病気をもかえりみず悲愴な決心で小説を書いていたなどと思われては、こそばゆい。
(出典:福永武彦『第四随筆集 夢のように』)
類語
・決まり悪い(きまりわるい)
意味:体裁が悪く恥ずかしい。気恥ずかしい。きまりがわるい。(出典:デジタル大辞泉)
・照れくさい(てれくさい)
意味:きまりが悪い。気恥ずかしい。(出典:デジタル大辞泉)
・気恥ずかしい(きはずかしい)
意味:なんとなく恥ずかしい。きまりが悪い。(出典:デジタル大辞泉)