えぐい
「えぐい内容」などのように使う「えぐい」という言葉。
「えぐい」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「えぐい」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
えぐいの意味
「えぐい」には次の三つの意味があります。
1 あくが強くて、いがらっぽい感じがする。えがらっぽい。
2 俗に、むごたらしいさま。また、どぎついさま。
3 我が強くて思いやりのないさま。きつい。 (出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
えぐいの意味①「あくが強くて、いがらっぽい感じがする。えがらっぽい。」
「えぐい」の一つ目の意味は「あくが強くて、いがらっぽい感じがする。えがらっぽい。」です。
刺激が強いものを食べた時にのどがひりひりする感じをあらわします。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・口の中に薬草のエキスを濃縮させたようなエグイ味が広がる。
(出典:雨木シュウスケ『鋼殻のレギオス11 インパクト・ガールズ』)
・思わず吐き出しそうになった。エグイというかニガイというか、ホウレン草のアクが全然ぬけていないのだ。だんだん口の中がしびれてきて感覚がなくなってきた。
(出典:群ようこ『アメリカ居すわり一人旅』)
類語
・えがらっぽい
意味:刺激が強くてのどがひりつく感じがするさま。いがらっぽい。(出典:デジタル大辞泉)
・辛い(からい)
意味:トウガラシ・ワサビなどのように、舌やのどを強く刺激するような味である。(出典:デジタル大辞泉)
・いがらっぽい
意味:刺激が強くてのどがひりつく感じがするさま。(出典:デジタル大辞泉)
えぐいの意味②「俗に、むごたらしいさま。また、どぎついさま。」
「えぐい」の二つ目の意味は「俗に、むごたらしいさま。また、どぎついさま。」です。
「えぐい事件があった」などのように悲惨な様子や恐ろしい様子をあらわします。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・子供を食べる女鬼だなんて、伝説としてもかなりえぐいし、要するにお蕎麦は子供の肉のかわりなんでしょう?
(出典:田中啓文『私立伝奇学園高等学校民俗学研究会その2 邪馬台洞の研究』)
・写真が載っているページだけざっと見てみると、いろいろな手術後のえぐい写真が淡々と並べてあった。
(出典:山本文緒『プラナリア』)
・お前過剰に足が長いから、結構えぐい感じになってるよ?彼氏は心配しているよ?
(出典:西尾維新『物語シリーズ 18 続・終物語』)
類語
・グロテスク
意味:ひどく異様なさま。怪奇なさま。異様。グロ。(出典:デジタル大辞泉)
・奇怪(きかい)
意味:常識では考えられないほど怪しく不思議なこと。また、そのさま。きっかい。(出典:デジタル大辞泉)
・醜い(みにくい)
意味:見て不快な感じがする。嫌な気持ちがする。見苦しい(出典:デジタル大辞泉)
えぐいの意味③「我が強くて思いやりのないさま。きつい。」
「えぐい」の三つ目の意味は「我が強くて思いやりのないさま。きつい。」です。
「性格がえぐい」や「プライドがえぐい」などネガティブな意味で使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・メッチャえぐい締切りに追われてて、世間と交渉を断ってたから。
(出典:有栖川有栖『海のある奈良に死す』)
・そのままではえぐい自称小市民を、誰からも疎まれないようにする方法論。
(出典:米澤穂信『小市民シリーズ3-2 秋期限定栗きんとん事件〈下〉』)
・君のことだからもっとえぐいやり方をすると思ってた。
(出典:鈴木大輔『ご愁傷さまニノ宮くん 4』)
類語
・おぞましい
意味:我(が)が強い。強情だ。(出典:デジタル大辞泉)
・僻僻し(ひがひがし)
意味:正常な状態でない。まともでない。ひねくれている。(出典:デジタル大辞泉)
・あくどい
意味:程度を超えてどぎつい。やり方が行きすぎてたちが悪い。(出典:デジタル大辞泉)
・我が強い(ががつよい)
意味:他のことをあまり考えないで、自分の思いを通そうとする気持が強い。強情だ。意地っぱりである。(出典:精選版 日本国語大辞典)