アンチテーゼ
「現代社会へのアンチテーゼ」などのように使う「アンチテーゼ」という言葉。
ドイツ語では「Antithese」と表記します。
「アンチテーゼ」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「アンチテーゼ」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
アンチテーゼの意味
「アンチテーゼ」には次の意味があります。
・テーゼ(定立)に対する語。特定の肯定的主張に対する特定の否定的主張で、弁証法においてヘーゲルが説いたテーゼ、ジンテーゼ(総合)とともに三契機の一つ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「アンチテーゼ」をわかりやすく言うと「ある主張や思想に対立する反対の主張、思想」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・母親のような女にはなるまいと思うあまり、彼女はモナの生きたアンチテーゼとなった。
(出典:コードウェイナー・スミス『鼠と竜のゲーム』)
・アンチテーゼおよび両極性よりするこの思考は、ロマン主義の相続財産である。
(出典:マンハイム/森博(訳)『保守主義的思考』)
・普段の節約へのアンチテーゼだとばかりに物を買いまわる人々を彼は目を細めて眺める。
(出典:梅田みか『別れの十二か月』)
・それは、合理的経世思想である儒学に対する明らかなアンチテーゼであった。
(出典:林望『書薮巡歴』)
・そのアンチテーゼとして、芸術のどの分野にもおこったのが靴理有頭無だね。
(出典:野田秀樹『おねえさんといっしょ』)
類語
・反立(はんりつ)
意味:哲学で、特定の肯定的主張に対する特定の否定的主張(出典:精選版 日本国語大辞典)
・反定立(はんていりつ)
意味:特定の肯定的判断・命題に対して特定の否定的判断・命題を立てること。(出典:デジタル大辞泉)
・テーゼ
意味:ある観念をまとめて表現・主張する文章。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・反(たん)
意味:それとは反対の、それに反対するの意を表す。(出典:デジタル大辞泉)
・反体制(はんたいせい)
意味:既存の社会体制や政治体制に対して反対し、それを変革しようとすること。(出典:デジタル大辞泉)