鬼
「鬼のような人」などのように使う「鬼」という言葉。
「鬼」は、訓読みで「おに」と読みます。
「鬼」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「鬼」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
鬼の意味
「鬼」には次の二つの意味があります。
1頑強な体躯を持つ怪物として描かれる空想的・伝説的な怪物。
2鬼を連想させるほどの力強さ、大きさ、あるいは非道さを形容する表現。
(出典:実用日本語表現辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
鬼の意味①「頑強な体躯を持つ怪物」
「鬼」の一つ目の意味は「頑強な体躯を持つ怪物」です。
現代では『鬼滅の刃』。古くからのお話では『桃太郎』などに登場し、「人に悪さを働く敵役」として描かれています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・こんな空腹のまま鬼ヶ島に着いても、鬼と満足に戦うなんて無理ですよ。
(出典:石塚浩之『桃太郎』)
・同じ京都の北の貴布禰神社の旧祠官舌した氏も、鬼の子孫だと言われていた。
(出典:喜田貞吉『特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ』)
・それこそ、鬼の首でも取って来たみたいに、僕は意気揚々と家へ帰った。
(出典:太宰治『正義と微笑』)
類語
・妖怪(ようかい)
意味:人の理解を超えた不思議な現象や不気味な物体。想像上の天狗(てんぐ)・一つ目小僧・河童(かっぱ)など。化け物。
(出典:デジタル大辞泉)
・悪魔(あくま)
意味:仏教に由来する語で、仏道をさまたげる悪神、人にわざわいを与える魔物を指す。
(出典:世界大百科事典 第2版)
・魔物(まもの)
意味:人をたぶらかすあやしい力をもつもの。
(出典:デジタル大辞泉)
鬼の意味②「鬼を連想させるほどの力強さや非道さ」
「鬼」 の二つ目の意味は「鬼を連想させるほどの力強さや非道さ」です。
①から転じて作られた意味で「鬼のような悪さをする人や、鬼のように力強さを備えた人」を指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・下手に食い違った結果が起るもんだ。と考えながら歩いて来ると、また鬼共が窓から首を出して眺めている。
(出典:夏目漱石『杭夫』)
・世間の者どもは全部、力を集中してこの鬼一匹を追い廻しているのだ。
(出典:太宰治『犯人』)
・彼は仕事の鬼で、とても頼りにしている。
類語
・鬼才(きさい)
意味:人間とは思えないほどの鋭い才能。また、その持ち主。
(出典:デジタル大辞泉)
・鬼嫁(おによめ)
意味:残酷で無慈悲な嫁をののしっていう語。また、夫が妻のことをおどけていう。
(出典:デジタル大辞泉)
・悪人(あくにん)
意味:心のよくない人。
(出典:デジタル大辞泉)