霧散
「思惑が霧散した」などのように使う「霧散」という言葉。
「霧散」は、音読みで「むさん」と読みます。
「霧散」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「霧散」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
霧散の意味
「霧散」には次の意味があります。
・霧のようにあとかたもなく消えること。雲散霧消。(出典:デジタル大辞泉)
わかりやすく言うと、今まで行ってきた根回しや、下調べ等が意味を成さなくなり、また一からやり直しになったりすることです。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・殺さなければと思っていた気持ちが驚くほどきれいに霧散している。
(出典:雨木シュウスケ『聖戦のレギオスI 眠りなき墓標群』)
・煙と違ちがう点は、それが揺ゆれることもなく、風の中に霧散むさんすることもない。
(出典:秋田禎信『エンジェル・ハウリング 第2巻 「戦慄の門 – from the aspect of FURIU」』)
・いただきますから一時間弱経って、食事会という雰囲気は霧散むさんしていた。
(出典:入間人間『電波女と青春男 第5巻』)
・それと同時に都古ちゃんの体から黒いモヤのような物が霧散していった。
(出典:奈須きのこ『MELTY BLOOD 真・最強の敵』)
・するとそれまで読みたどってきた意味の群れはたちまち霧散してしまう。
(出典:開高健『(耳の物語1) 破れた繭』)
類語
・蒸発(じょうはつ)
意味:液体がその表面から気化する現象。(出典:デジタル大辞泉)
・没却(ぼっきゃく)
意味:なくすこと。損失。(出典:デジタル大辞泉)
・散逸(さんいつ)
意味:まとまっていた書物・収集物などが、ばらばらになって行方がわからなくなること。散失。(出典:デジタル大辞泉)
・滅却(めっきゃく)
意味:ほろびること。すっかりなくなること。(出典:デジタル大辞泉)
・揉み消す(もみけす)
意味:自分に都合の悪い事件やうわさなどが表沙汰になるのを、手段をつくして抑える。(出典:デジタル大辞泉)