階級
「階級意識」などのように使う「階級」という言葉。
「階級」は、音読みで「かいきゅう」と読みます。
「階級」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「階級」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
階級の意味
「階級」には次の二つの意味があります。
1 身分・地位などの上下の段階。軍隊などでの位。
2 同一の政治的、経済的利害やイデオロギーを共有することによって、他と区別され、あるいは対立する社会集団。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
階級の意味①「身分・地位などの上下の段階。軍隊などでの位。」
「階級」の一つ目の意味は「身分・地位などの上下の段階。軍隊などでの位。」です。
ある集団・組織内で所属する人々に与えられる順位付けです。
「トップダウン」という経営方針は、階級の上位者の指示を階級の下位者が担う、という上意下達式の管理方法です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・むろん階級の差も年齢の差もある。
(出典:坂口安吾『決闘』)
・彼は公務員階級の一番下位になる第一等級の身分で採用された。
(出典:バルザック・オノレ・ド『ゴリオ爺さん』)
・それは一人の胸甲騎兵であって、将校であり、しかも相当の階級のものらしかった。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
類語
・序列(じょれつ)
意味:一定の基準に従って並べた順序。きまった順序。(出典:デジタル大辞泉)
・職位(しょくい)
意味:組織における仕事上の地位。(出典:デジタル大辞泉)
・ランク
意味:順位づけること。また、順位。(出典:デジタル大辞泉)
・ポスト
意味:地位。役職。また、持ち場。部署。(出典:デジタル大辞泉)
階級の意味②「同一の政治的、経済的利害やイデオロギーを共有することによって、他と区別され、あるいは対立する社会集団。」
「階級」の二つ目の意味は「同一の政治的、経済的利害やイデオロギーを共有することによって、他と区別され、あるいは対立する社会集団。」です。
この場合「階級」という言葉は、ある集団内で人々が当たり前のものとして受け入れている考え方に、フォーカスしたものです。
階級間の対立は、価値観の衝突とも言えるでしょう。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・みんなたいがい、おれたちよりも年上で、さまざまな階級の人間だった。
(出典:マン・パウル・トーマス『なぐり合い』)
・のみならず僕等を拘束するものは必ずしも階級ばかりではない。
(出典:芥川竜之介『文芸的な、余りに文芸的な』)
・いまのこの世の中で、こんな階級の人たちが、一ばん悪いのではないかしら。
(出典:太宰治『女生徒』)
・この社会が階級的構成のものであるとするならば、思想の性格は階級的な言葉であるはずである。
(出典:三木清『危機における理論的意識』)
・信仰しないということは、風儀の悪い下賤な階級のこどもだった。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
類語
・士農工商(しのうこうしょう)
意味:近世の身分制で、武士・農民・職人・商人。士を最上位とし、商を最下位とする。儒教的階級観念によって順位づけた言い方。(出典:デジタル大辞泉)
・ブルジョア
意味:近代資本主義社会で、資本家階級に属する人。(出典:デジタル大辞泉)
・ステータス
意味:社会的地位。また、それを表すもの。(出典:デジタル大辞泉)
・カースト
意味:階級制度。社会的階級、地位。(出典:デジタル大辞泉)