陳情
「政治家に陳情する」などのように使う「陳情」という言葉。
「陳情」は、音読みで「ちんじょう」と読みます。
「陳情」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「陳情」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
陳情の意味
「陳情」には次の意味があります。
・目上の人に、実情や心情を述べること。特に、中央や地方の公的機関、または政治家などに、実情を訴えて、善処してくれるよう要請すること。また、その行為。(出典:デジタル大辞泉)
わかりやすく言えば「公的機関などに実際の状態を伝え、善処するようにお願いすること」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・若い二世議員に陳情してもあまり効果がないと知っているかららしい。
(出典:松本清張『迷走地図(上)』)
・町長さん自らはるばる東京まで陳情に出かけていた。
(出典:近藤紘一『妻と娘の国へ行った特派員』)
・漁民たちは午前中の陳情からみて、情況は一歩前進したと判断していた。
(出典:石牟礼道子『苦海浄土』)
・記録では村役人が藩に陳情したことになっているが、明らかな強訴だった。
(出典:葉室麟『蜩ノ記』)
・これがのちに政治家になって地元の陳情を受けるときどれほど役に立ったことか。
(出典:水木楊『田中角栄 その巨善と巨悪』)
類語
・上申(じょうしん)
意味:上役、上官、支配者などに意見や事情を申しあげること。上伸。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・申立て(もうしたて)
意味:申し立てること。また、その言い分。(出典:デジタル大辞泉)
・願い出(ねがいで・ねがいいで)
意味:願いでること。願書を差し出すこと。ねがいで。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・進言(しんげん)
意味:目上の人に対して意見を申し述べること。建言。具申。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・具申(ぐしん)
意味:くわしく申し述べること。特に、上役や上位機関に対して、仕事に関する自分の意見や事情をくわしく申し述べること。(出典:精選版 日本国語大辞典)