長閑
「長閑な一日」などのように使う「長閑」という言葉。
「長閑」は、訓読みで「のどか」と読みます。
「長閑」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「長閑」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
長閑の意味
「長閑」には次の二つの意味があります。
1 静かでのんびりとして落ち着いているさま。
2 空が晴れて、天候が穏やかなさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
長閑の意味①「静かでのんびりとして落ち着いているさま。」
「長閑」の一つ目の意味は「静かでのんびりとして落ち着いているさま。」です。
わかりやすく言うと「せわしくなく穏やかな様子」という意味です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そして別の日に、私は同じ公園の古さと広さと長閑さと人情とがわかった。
(出典:小出楢重『めでたき風景』)
・長閑で豊かな風景を見て、天皇陛下はきっと満足するにちがいない。
(出典:上西晴治『十勝平野(下)』)
・そんな長閑な日には、庭の梅の樹きに鶯うぐいすが来て啼なくような気持もした。
(出典:夏目漱石『硝子戸の中』)
・その時、なんとも問の抜けたタイミングで、高階教授の長閑な声がした。
(出典:海堂尊『チーム・バチスタの栄光(上)』)
類語
・平穏(へいおん)
意味: 変わったこともなく、おだやかなこと。(出典:デジタル大辞泉)
・静穏(せいおん)
意味: 静かで穏やかなこと。(出典:デジタル大辞泉)
・安穏(あんおん)
意味: 心静かに落ち着いていること。(出典:デジタル大辞泉)
・悠悠(ゆうゆう)
意味: ゆったりと落ち着いたさま。(出典:デジタル大辞泉)
長閑の意味②「空が晴れて、天候が穏やかなさま。」
「長閑」の二つ目の意味は「空が晴れて、天候が穏やかなさま。」です。
わかりやすく言うと「天気や気候が良いこと」という意味です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・長閑な空には一羽の鳶が諧調的な叫びを挙げながら大輪を描いてゐた。
(出典:牧野信一『天狗洞食客記』)
・そうして健康の時にはとても望めない長閑な春がその間から湧わいて出る。
(出典:夏目漱石『思い出す事など』)
・そのため全体の音楽が朗々として、いかにも長閑な春の気分を音象している。
(出典:久保田正文『百人一首の世界』)
・ある年の春の長閑な日のこと、花の下にあめ売りが屋台を下ろしていました。
(出典:久保田正文小川未明『犬と人と花』)
類語
・好天(こうてん)
意味: よく晴れて、何かをするのに都合のよい天気。(出典:デジタル大辞泉)
・晴朗(せいろう)
意味: 空が晴れ渡ってのどかなさま。(出典:デジタル大辞泉)
・陽気(ようき)
意味:気候。時候。(出典:デジタル大辞泉)
・小春日和(こはるびより)
意味:初冬のいかにも小春らしい穏やかで暖かい日和。(出典:デジタル大辞泉)