酔狂
「真冬に水泳とは酔狂だ」などのように使う「酔狂」という言葉。
「酔狂」は、音読みで「すいきょう」と読みます。
「酔狂」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「酔狂」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
酔狂の意味
「酔狂」には次の二つの意味があります。
1 好奇心から人と異なる行動をとること。物好きなこと。
2 酒に酔ってとりみだすこと。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
酔狂の意味①「好奇心から人と異なる行動をとること。物好きなこと。」
酔狂の一つ目の意味は「好奇心から人と異なる行動をとること。物好きなこと。」です。
わかりやすく言えば、「変人」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・わざわざ日本から見に行こうなどという酔狂な者はひとりもいなかった。(出典:沢木耕太郎『一瞬の夏』)
・想像の中の青爾に、かつての酔狂な遊びの影は毛筋ほども残っていない。(出典:小池真理子『狂王の庭』)
・人っ子一人いない廃物の山の中で誰がそんな酔狂なことをするものか。(出典:富永浩史『スフィア ―哀しみの青想圏―』)
・わたしのことを、よほどの酔狂か、寒さ知らずの女だと思ったに違いない。(出典:貴志祐介『新世界より』)
類語
・物好き(ものずき)
意味:変わったことを好むこと。(出典:デジタル大辞泉)
・好事家(こうずか)
意味:物好きな人。(出典:デジタル大辞泉)
・気違い(きちがい)
意味:精神状態が普通でなく、正常ではない言動をすること。(出典:デジタル大辞泉)
・お天気(おてんき)
意味:のんきで、気楽なこと。おめでたいこと。(出典:日本国語大辞典)
酔狂の意味②「酒に酔ってとりみだすこと。」
「酔狂」の二つ目の意味は「酒に酔ってとりみだすこと。」です。
言い換えれば、「酒に飲まれること」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼の酔狂ぶりはみなさんにも、たしかにそれ以上に興味があるでしょう。(出典:サド/大場正史訳『ソドムの百二十日』)
・酔狂は嫌いではないが、私など、すぐに費用のことを考えてしまう。(出典:山口瞳『酔いどれ紀行』)
・なおその上に、この卑しむべき男が酒に酔って酔狂でもすればみずから戒めるということもあろうが、大酒のくせに酒の上が決して悪くない。(出典:坂口謹一郎『古酒新酒』)
・伊達や酔狂で飲むんじゃないのだ。(出典:田辺聖子『イブのおくれ毛 I』)
類語
・酔い潰れる(よいつぶれる)
意味:酒にひどく酔って正体を失う。泥酔する。(出典:デジタル大辞泉)
・べろべろ
意味:酔ってろれつが回らないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・千鳥足(ちどりあし)
意味:酒に酔った人がふらふらしながら歩くことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・二日酔い(ふつかよい)
意味:酒の酔いが翌日まで残り、はきけや頭痛・めまいなどがして気分の悪い状態。(出典:デジタル大辞泉)