遡上
「魚が川を遡上する」などのように使う「遡上」という言葉。
「遡上」は、音読みで「そじょう」と読みます。
「遡上」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「遡上」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
遡上の意味
「遡上」には次の意味があります。
・流れをさかのぼっていくこと。(出典:デジタル大辞泉)
つまり、「遡上」は「流れに対して反対方向に進むこと」を意味します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・僕も食堂を出ると、もう一度鰻の子の遡上を見るために非常口から裏庭に出た。
(出典:井伏鱒二『黒い雨』)
・ストローを遡上して、冷たい液体が喉に流れ込んでいるのがわかった。
(出典:野尻抱介『クレギオン 6 アフナスの貴石』)
・水温十二、三度の頃遡上をはじめるが、その頃でも餌を食わないでは居まい。
(出典:佐藤垢石『河鱸遡上一考』)
・夜は風景を遡上して見せるけれども、月は時と人とをして、時間の上に超然たらしめる。
(出典:中里介山『大菩薩峠』)
・しかし、これから河川を遡上しようとするときに、全国各所で網が待ち構えている。
(出典:吾妻博勝『新宿歌舞伎町 新・マフィアの棲む街』)
類語
・遡る(さかのぼる)
意味:流れに逆らって上流に進む。(出典:デジタル大辞泉)
・遡行(そこう)
意味:流れを上流にさかのぼって行くこと。(出典:デジタル大辞泉)
・遡航(そこう)
意味:水流をさかのぼって航行すること。(出典:デジタル大辞泉)
・逆行(ぎゃっこう)
意味:当然進むべき方向と反対の方へ、あるいは順序にさからって進んで行くこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・遡及(そきゅう)
意味:過去にさかのぼって影響・効力を及ぼすこと。(出典:デジタル大辞泉)