遊離
「現実から遊離している」などのように使う「遊離」という言葉。
「遊離」は、音読みで「ゆうり」と読みます。
「遊離」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「遊離」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
遊離の意味
「遊離」には次の意味があります。
・ 他と離れて存在すること。離れた存在となること。(出典:デジタル大辞泉)
「遊離軟骨」や「カルシウム遊離型」など、医療や化学の現場などでもしばしば用いられる用語です。
元々の意味である「単体または原子団が、他の物質と結合せずに存在していること。」という専門的用語から転じて生まれた表現です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・薄く化粧をしているが、どこかその化粧が女の肌から遊離していた。
(出典:夢枕獏『風果つる街』)
・ただ私はそれらのものを私の現在から遊離して考えるのを全く無益徒労のことと思うだけだ。
(出典:有島武郎『惜みなく愛は奪う』)
・この作品は、決して張り子の馬のやうな現実遊離の馬ではない。
(出典:小熊秀雄『小熊秀雄全集-19』)
・この拒否に面して、前に見る四つの遊離の様相をもたらしているといえるであろう。
(出典:中井正一『知識と政治との遊離』)
・鋭い笛の音が発し、フリッツは遊離しかけた意識を現実に引き戻した。
(出典:福井晴敏『終戦のローレライ(上)』)」
類語
・離れる(はなれる)
意味:くっついているものの一方が動いて別々になる。(出典:デジタル大辞泉)
・乖離(かいり)
意味:そむきはなれること。結びつきがはなれること。(出典:デジタル大辞泉)
・離隔(りかく)
意味:離れへだたること。また、引き離してへだてること。(出典:デジタル大辞泉)
・去る(さる)
意味:ある場所から離れる。そこを離れてどこかへ行ってしまう。(出典:デジタル大辞泉)
・分裂(ぶんれつ)
意味:一つのものや、まとまっているものが、分かれていくつかになること。(出典:精選版 日本国語大辞典)