質素
「質素な食事」などのように使う「質素」という言葉。
「質素」は、音読みで「しっそ」と読みます。
「質素」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「質素」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
質素の意味
「質素」には次の二つの意味があります。
1 飾りけがないこと。質朴なこと。また、そのさま。
2 生活などがぜいたくでなく、つつましくて倹約なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
質素の意味①「飾りけがないこと。質朴なこと。また、そのさま。」
「質素」の一つ目の意味は「飾りけがないこと。質朴なこと。また、そのさま。」です。
一つ目の意味をわかりやすくいうと、余計なものが無いという意味になります。ありのままということをあらわす言葉です。うわべを飾らず素直で誠実という意味もあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・右にはその二階屋が迫っていて、左がわは質素な木の塀で囲われている。
(出典:西風隆介『神の系譜VII 竜の源 高句麗』)
・質素な着物を着ていても、王族筋の按司の娘と勝手に断定される始末だ。
(出典:池上永一『テンペスト1 若夏の巻』)
・それは高級ではあるが質素で機能的な部屋だった。
(出典:牧野修『だからドロシー帰っておいで』)
・まるで質素な制服ででもあるかのように、Oはいつもこんな服装をしていた。
(出典:レアージュ/澁澤龍彦訳『O嬢の物語』)
類語
・簡素(かんそ)
意味:むだがなく簡単で質素なこと。また、そのさま。あっさりとしていて飾りけのないようす。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・シンプル(simple)
意味:むだな点や複雑さなどのないさま。良い意味で、単純なさま。簡素。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・控目(ひかえめ)
意味:積極的に行動したり自己を主張したりすることを避け、目立たないようにふるまうこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・質朴(しつぼく)
意味:性格がすなおで律義なこと。また、そのさま。純朴。素朴。(出典:デジタル大辞泉)
質素の意味②「生活などがぜいたくでなく、つつましくて倹約なこと。また、そのさま。」
「質素」の二つ目の意味は「生活などがぜいたくでなく、つつましくて倹約なこと。また、そのさま。」です。
二つ目の意味をわかりやすくいうと、無駄な浪費をせずに過ごすという意味になります。生活だったり行動だったり様子をあらわすこともある言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・狭い階段をいくつも上っていちばん高い所にB君の質素な家庭があった。
(出典:寺田寅彦『異郷』)
・真の幸福はよく働き、質素に生活することにあると彼は言うのだった。
(出典:オーウェル/佐山栄太郎訳『動物農場』)
・母親の両親と四人、質素だったが笑いの絶えない日々をおくっていた。
(出典:柴田よしき『好きよ』)
・どちらかというと、質素で簡単な食事のほうが、永つづきするものだ。
(出典:ウェルズ/赤坂長義訳『月世界最初の人間』)
類語
・つましい
意味:生活ぶりなどがぜいたくでない。地味で質素である。(出典:デジタル大辞泉)
・清貧(せいひん)
意味:私欲をすてて行いが正しいために、貧しく生活が質素であること。(出典:デジタル大辞泉)
・倹約(けんやく)
意味:むだを省いて出費をできるだけ少なくすること。また、そうするさま。(出典:デジタル大辞泉)
・経済的(けいざいてき)
意味:費用や手間などがかからないさま。むだがなく安上がりなさま。(出典:デジタル大辞泉)