語弊
「語弊がある」などのように使う「語弊」という言葉。
「語弊」は、音読みで「ごへい」と読みます。
「語弊」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「語弊」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
語弊の意味
「語弊」には次の意味があります。
・言葉の使い方が適切でないために誤解を招きやすい言い方。また、そのために起こる弊害。
(出典:デジタル大辞泉)
「語」は「ことば」、「弊」は「よくない」や「害になる」という意味を持つ漢字です。
よく似た言葉の「誤解」は「解釈が誤っていること」を意味しており、「誤解」を招く言い方が「語弊」です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・いや、賀茂君、語弊があったのなら許してくれたまえよ。
(出典:荒俣宏『帝都物語1』)
・欲張りといって語弊があるなら、今の自分にいつも飽き足らないタイプだ。
(出典:山本文緒『結婚願望』)
・忍び込むというと語弊がある、なんだか泥棒か間男のようで聞き苦しい。
(出典:夏目漱石『吾輩は猫である』)
・ところで、用語に語弊を招きかねないけれど、もともと小説というのはうさん臭いものだ。
(出典:モーリアック/遠藤周作訳『愛の砂漠』)
・多少語弊はあるが、天才としての彼ではなくて、秀才としての彼なのである。
(出典:戸坂潤『世界の一環としての日本』)
類語
・誤報(ごほう)
意味:間違えて知らせること。また、間違った知らせ。(出典:大辞林 第三版)
・筋違い(すじいがい)
意味:道理にはずれていること。手続きが違っていること。また、そのさま。(出典:大辞林 第三版)
・不適切(ふてきせつ)
意味:取り扱いや対処の仕方がまずかったりふさわしくなかったりする・こと(さま)。(出典:大辞林 第三版)
・齟齬(そご)
意味:物事がうまくかみ合わないこと。食い違うこと。ゆきちがい。(出典:デジタル大辞泉)
・勘違い(かんちがい)
意味:間違って思い込むこと。思い違い。(出典:デジタル大辞泉)