訓戒
「訓戒を与える」などのように使う「訓戒」という言葉。
「訓戒」は、音読みで「くんかい」と読みます。
「訓戒」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「訓戒」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
訓戒の意味
「訓戒」には次の二つの意味があります。
1 物事の理非・善悪を教えさとし、いましめること。
2 会社や学校などの懲戒処罰で、最も軽いもの。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
訓戒の意味①「物事の理非・善悪を教えさとし、いましめること。」
訓戒の一つ目の意味は「物事の理非・善悪を教えさとし、いましめること。」です。
わかりやすく言うと「物事の規則や道理を教え注意すること」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼の職業は人を慰安し訓戒することで、彼はそれによって生活している。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『死刑囚最後の日』)
・そのように訓戒を垂れた私に対しても、この鉄則は適用されたのである。
(出典:辻井喬『いつもと同じ春』)
・その時師匠は改めて私に向い、将来について一つの訓戒をお話しであった。
(出典:高村光雲『幕末維新懐古談』)
・事実の言い表わしであって権利も義務も訓戒も含まれていない。
(出典:寺田寅彦『方則について』)
類語
・戒飭(かいちょく)
意味:人に注意を与えて慎ませること。また、自分から気をつけて慎むこと。(出典:デジタル大辞典)
・戒告(かいこく)
意味:過失・失態・非行などを強く戒めること。(出典:デジタル大辞典)
・警告(けいこく)
意味:よくない事態が生じそうなので気をつけるよう、告げ知らせること。(出典:デジタル大辞泉)
・教戒(きょうかい)
意味:教えいましめること。(出典:デジタル大辞泉)
訓戒の意味②「会社や学校などの懲戒処罰で、最も軽いもの。」
「訓戒」の二つ目の意味は「会社や学校などの懲戒処罰で、最も軽いもの。」です。
わかりやすく言うと「目上のものが下のものに教え示すこと」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・宗助はそれを、普通の子が普通の親の訓戒を聞く時のごとくに聞いた。
(出典:夏目漱石『門』)
・父からの教育や訓戒だけでなく、あの頃では一般にそうとしか考えられなかつた。
(出典:三好十郎『肌の匂い』)
・ときおり彼はKに子供にでもするような無内容な訓戒を垂れることがあった。
(出典:カフカ/中野孝次訳『審判』)
・それにしても、先生の訓戒の長いのには三人とも、ほとほと閉口した。
(出典:辰野隆『浜尾新先生』)
類語
・忠告(ちゅうこく)
意味:まごころをこめて相手の欠点や過ちを、戒めさとすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・教示(きょうじ)
意味:知識や方法などを教え示すこと。示教。(出典:デジタル大辞泉)
・助言(じょげん)
意味:助けになるような意見や言葉を、そばから言ってやること。また、その言葉。(出典:デジタル大辞泉)