見返り
「見返り美人」などのように使う「見返り」という言葉。
「見返り」は、訓読みで「みかえり」と読みます。
「見返り」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「見返り」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
見返りの意味
「見返り」には次の二つの意味があります。
1振り向いて後ろを見ること。
2相手のしてくれたことにこたえて何かをすること。特に、保証・担保・代償として差し出すこと。また、そのもの。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
見返りの意味①「振り向いて後ろを見ること。」
「見返り」の一つ目の意味は「振り向いて後ろを見ること。」です。
簡単に言い換えると「振り返ること」です。
見返り美人は後ろを振りかえった横顔が美しいことを指し、江戸時代の浮世絵で描かれています。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・妙なることを聞く者よとお通はわずかに見返りて、「鏡」とばかり答えたり。
(出典:泉鏡花『妖僧記』)
・そこで若い恋人同士のように両方から見返りながら別れた。
(出典:佐多稲子『くれない』)
・竜之助は書きかけた筆を置きもせず、お浜の方を見返りもせず冷やかな返事です。
(出典:夢野久作『女坑主』)
・長三郎が焦れて舌打ちしている間に、二人は見返りもせずに橋を渡り過ぎた。
(出典:岡本綺堂『半七捕物帳』)
類語
・見向き(みむき)
意味:振り向いてその方を見ること。また、そちらに心を向けること。(出典:デジタル大辞泉)
・振り向く(ふりむく)
意味:顔やからだを後方へ向ける。振り返って見る。(出典:デジタル大辞泉)
・振り返る(ふりかえる)
意味:後方へ顔を向ける。振り向く。(出典:デジタル大辞泉)
・顧みる(かえりみる)
意味:振り返って見る。(出典:デジタル大辞泉)
見返りの意味②「相手のしてくれたことにこたえて何かをすること。特に、保証・担保・代償として差し出すこと。また、そのもの。」
「見返り」の二つ目の意味は「相手のしてくれたことにこたえて何かをすること。特に、保証・担保・代償として差し出すこと。また、そのもの。」です。
簡単に言い換えると「相手にお返しをすること」です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ありとあらゆるものをほとんど見返りもなく星系外に求めているのだから。
(出典:森岡浩之『星界シリーズ 星界の戦旗 2 守るべきもの』)
・しかし、元は顔を両腕にうずめたまま父のほうを見返りもしなかった。
(出典:パール バック 大久保康雄『大地 3部』)
・慣れない仕事でずいぶん辛い思いをしたが、それなりの見返りはあった。
(出典:馳星周『不夜城』)
・そうであるならば、それも見返りのひとつと考えていいものだろう。
(出典:後藤正治『リターンマッチ』)
類語
・報酬(ほうしゅう)
意味:労務または物の使用の対価として給付される金銭・物品など。(出典:デジタル大辞泉)
・インセンティブ
意味:やる気を起こさせるような刺激。動機付け。(出典:デジタル大辞泉)
・代価(だいか)
意味:ある事柄をおこなうために生じる犠牲や損害。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・返礼(へんれい)
意味:人から受けた礼・贈り物に対して行為や品物で報いること。(出典:デジタル大辞泉)