蚕食
「領土が蚕食される」などのように使う「蚕食」という言葉。
「蚕食」は、音読みで「さんしょく」と読みます。
「蚕食」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「蚕食」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
蚕食の意味
「蚕食」には次の意味があります。
・ 蚕が桑の葉を食べるように、他の領域や物などを片端からだんだんと侵してゆくこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
領土・物・心など、徐々に侵略されていく状態のことを指します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・然し次第に自分のうちのものが彼女に蚕食されてゆくのを彼は感じた。
(出典:豊島与志雄『掠奪せられたる男』)
・君はゲーテほどの活力ももたないから、富のために蚕食されてしまうだろう。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
・クリストフが子供のころ遊んだ牧場は、河に蚕食されていた。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
・そのような迂闊であればこそ、芯まで蝕まれた妻の蚕食に気がつかなかったのだ。
(出典:森村誠一『虚無の道標』)
・水は次第に地下の広間を浸して、三人の立っている足元へ蚕食して来ます。
(出典:野村胡堂『水中の宮殿』)
類語
・侵襲(しんしゅう)
意味:侵入し、襲うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・来襲(らいしゅう)
意味:襲ってくること。(出典:デジタル大辞泉)
・来攻(らいこう)
意味:攻めて来ること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・侵犯(しんぱん)
意味:他国の領土や権利などを不法に侵すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・侵略(しんりゃく)
意味:他人の領分または他国に侵入して財物や領土をうばいとること。(出典:デジタル大辞泉)