至難
「至難のわざ」などのように使う「至難」という言葉。
「至難」は、音読みで「しなん」と読みます。
「至難」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「至難」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
至難の意味
「至難」には次の意味があります。
・きわめて困難なこと。この上なくむずかしいこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「至難のわざ」は「非常に困難なこと」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そのこころはよくわかるが、実に至難な希望だといわなければならない。
(出典:山田風太郎『忍法帖5 くノ一忍法帖』)
・これは散文によって構成し、文字によって描くには至難の世界であろう。
(出典:泉鏡花『歌行燈・高野聖』)
・事の何たるを問わず自分の事をはっきり自分で判断することは至難である。
(出典:永井荷風『正宗谷崎両氏の批評に答う』)
・この人を説服し得ないようでは、呉の藩論をうごかすことは至難だろう。
(出典:吉川英治『三国志』)
・当時、列車の車輌の多くは空襲で焼失していて、乗るのは至難であった。
(出典:吉村昭『東京の戦争』)
類語
・無理(むり)
意味:実現するのがむずかしいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・難題(なんだい)
意味: 解決のむずかしい問題。 (出典:デジタル大辞泉)
・荊棘(けいきょく)
意味:困難の多いたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・骨が折れる(ほねがおれる)
意味:困難で苦労する。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・煩多(はんた)
意味:用事が多くてわずらわしいこと。(出典:デジタル大辞泉)