習慣
「運動の習慣」などのように使う「習慣」という言葉。
「習慣」は、音読みで「しゅうかん」と読みます。
「習慣」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「習慣」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
習慣の意味
「習慣」には次の二つの意味があります。
1 長い間繰り返し行ううちに、そうするのがきまりのようになったこと。
2 その国やその地方の人々のあいだで、普通に行われる物事のやり方。社会的なしきたり。ならわし。慣習。
(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
習慣の意味①「長い間繰り返し行ううちに、きまりのようになったこと」
「習慣」の一つ目の意味は「長い間繰り返し行ううちに、きまりのようになったこと」です。
「運動の習慣」や「早起きの習慣」などの場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・俺は身についた一切の習慣から脱出したいのだ。
(出典:豊島与志雄『自由人』)
・そうした習慣が癖となって、男の学校に転職した時、ひどく困った。
(出典:豊島与志雄『常識』)
・あのお店は各テーブルに必ず二ツずつのマッチを置いとく習慣なんです。
(出典:坂口安吾『街はふるさと』)
・先を書きつづける前に、昨日書いたところを一通り読み返すのが、彼の昔からの習慣である。
(出典:芥川竜之介『戯作三昧』)
類語
・慣習(かんしゅう)
意味:慣れること。習慣となるようにすること。(出典:デジタル大辞泉)
・習性(しゅうせい)
意味:後天的に習慣が性質となったもの。習癖。(出典:デジタル大辞泉)
・習癖(しゅうへき)
意味:習慣となっているくせ。身についた、よくないくせ。(出典:デジタル大辞泉)
・性癖(せいへき)
意味:性質上のかたより。くせ。(出典:デジタル大辞泉)
習慣の意味②「その国やその地方の人々のあいだで、普通に行われる物事のやり方。社会的なしきたり。ならわし。」
「習慣」の二つ目の意味は「その国やその地方の人々のあいだで、普通に行われる物事のやり方。しきたり。ならわし。」です。
ある社会で一般的に認められる行動様式を言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・これは、東京には昆布を使うという習慣が昔からなかったからだろう。
(出典:北大路魯山人『だしの取り方』)
・邪魔になる王侯を殺してしまうことは当時のヨーロッパの習慣の一つであった。
(出典:ストレイチー・リットン『エリザベスとエセックス』)
・昔の習慣として新婚の夫婦には新築の家を与えるということもあった。
(出典:村岡博『茶の本』)
・また出雲の三保では、ハチヤ部落へ行って産をする習慣があったという。
(出典:喜田貞吉『エタ源流考』)
類語
・習い(ならい)
意味:しきたりとなっていること。ならわし。習慣。(出典:デジタル大辞泉)
・風習(ふうしゅう)
意味:ならわし。習慣。(出典:精選版日本国語大辞典)
・習わし(ならわし)
意味:しきたり。習慣。風習。(出典:デジタル大辞泉)
・仕来り(しきたり)
意味:昔からの習慣。ならわし。慣例。(出典:デジタル大辞泉)
・俗習(ぞくしゅう)
意味:世間一般の習慣。世俗のならわし。(出典:精選版 日本国語大辞典)