繚乱
「百花繚乱」などのように使う「繚乱」という言葉。
「繚乱」は、音読みで「りょうらん」と読みます。
「繚乱」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「繚乱」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
繚乱の意味
「繚乱」には次の意味があります。
・入り乱れること。花などが咲きみだれ、散りみだれること。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「百花繚乱」をわかりやすく言うと、「様々な花が咲き乱れること」という意味です。
転じて、「優れた業績や人物がある一定の期間に多く現れること」のたとえとして用いられます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・梨子地をまいたような火の子が、繚乱として飛びはじめました。
(出典:中里介山『大菩薩峠』)
・二人の男の前へ出て、マギーは繚乱と咲き乱れる花々の一角へ手を伸ばした。
(出典:菊地秀行『吸血鬼ハンター5 夢なりし“D”』)
・女はたたみにねじふせられ、繚乱と着物を乱して男に凌辱されはじめたのである。
(出典:山田風太郎『忍法帖2 忍法忠臣蔵』)
・茶色の枯れたような冬の芽の中に既にいま頃から繚乱たる花が用意されているのだと思うと心が勇む気がする。
(出典:黒島伝治『四季とその折々』)
・たれかを、呼び求めつつ、丘の繚乱な秋草の中を、こっちへ近づいて来るものらしい。
(出典:吉川英治『私本太平記』)
類語
・紛乱(ふんらん)
意味:入りみだれること。また、秩序を失わせること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・乱脈(らんみゃく)
意味:秩序や規律が乱れて筋道が立たないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・鼎の沸くが如し(かなえのわくがごとし)
意味:鼎の中の湯が沸き返るように、物事が混乱して騒がしいさま。(出典:デジタル大辞泉)
・錯乱(さくらん)
意味:入り乱れて秩序がなくなること。ごちゃごちゃになること。(出典:デジタル大辞泉)
・引っ搔き回す(ひっかきまわす)
意味:かってに振る舞って秩序を乱す。混乱させる。(出典:デジタル大辞泉)