縷々
「縷々に」などのように使う「縷々」という言葉。
「縷々」は、音読みで「るる」と読みます。
「縷々」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「縷々」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
縷々の意味
「縷々」には次の意味があります。
1細く長くとぎれることなく続くさま。
2こまごまと詳しく述べるさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
縷々の意味①「細く長くとぎれることなく続くさま。」
「縷々」の一つ目の意味は「細く長くとぎれることなく続くさま。」です。
「縷々として続く」で「途切れることなく続く」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・顔をおおうた両手の指のあいだから、縷々として涙がしたたり落ちる。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 横溝正史 「死神の矢」』)
・これらのことは、その都度新聞等により、縷々報道されたところであります。
(出典:山下洋輔『ドバラダ門』)
・かくのごと繋がれてあれば、涙の連鎖は縷々としてわが双眼より滴る。
(出典:佐藤正彰訳『千一夜物語』)
・支倉の裁判長忌避の理由なるものは尚縷々として尽きないのである。
(出典:甲賀三郎『支倉事件』)
類語
・絶えず(たえず)
意味:とぎれることなく、引き続き行われているさま。(出典:デジタル大辞泉)
・間断(かんだん)
意味:とぎれること。(出典:デジタル大辞泉)
・何時も(いつも)
意味:どんなときでも。常に。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・常(つね)
意味:同じ状態で、長く時を経過すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
縷々の意味②「こまごまと詳しく述べるさま。」
「縷々」の二つ目の意味は「こまごまと詳しく述べるさま。」です。
「縷々として述べる」で「こまごまと述べる」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・といって、縷々説明する気はないし、女に説明してわかることではない。
(出典:城山三郎『打出小槌町一番地』)
・ただその見解を縷々と述べるを聞くと、と水鏡先生は思わされるのである。
(出典:酒見賢一『泣き虫弱虫諸葛孔明』)
・ただ、次のことは意識しておく必要があると思うから、ここまで縷々述べてきたのだ。
(出典:小杉英了『シュタイナー入門』)
・しばらく言葉をきっていた、珠世がまた、縷々として語りはじめたからである。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 [金田一耕助ファイル5] 横溝正史 「犬神家の一族」 v0.9』)
類語
・詳細(しょうさい)
意味:細部に至るまでくわしいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・詳密(しょうみつ)
意味:くわしく細かいこと。よく行き届いて、もれがないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・委細(いさい)
意味:細かく詳しいこと。詳しい事情。(出典:デジタル大辞泉)
・万事(ばんじ)
意味:すべてのこと。あらゆること。(出典:精選版 日本国語大辞典)