粗い
「目が粗いパン」などのように使う「粗い」という言葉。
「粗い」は、訓読みで「あらい」と読みます。
「粗い」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「粗い」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
粗いの意味
「粗い」には次の三つの意味があります。
1 すきまが大きい。また、粒が大きくざらざらしている。細かでない。
2 手触りがなめらかでない。すべすべしていない。
3 粗雑である。大ざっぱである。大まかである。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
粗いの意味①「すきまが大きい。また、粒が大きくざらざらしている。細かでない。」
「粗い」の一つ目の意味は「すきまが大きい。また、粒が大きくざらざらしている。細かでない。」です。
例えば、「目の粗い網」で「網目が大きい網」という意味になります。他にも、「粗く挽いたコーヒー豆」で「少し大きめに挽かれたコーヒー豆」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・目の粗い布と毛皮を身につけ、見たこともない長い槍を手にしている。
(出典:伊豆平成『PATRONE2 仮面の少女』)
・粗い鉄格子のついた大きなストーブが心地よく部屋をあたためていた。
(出典:アンデルセン/神西清訳『即興詩人(下)』)
・ココア・パウダーや片栗粉よりはずっと粗いが、塩の粒よりはずっと細かい。
(出典:野尻抱介『ふわふわの泉』)
粗いの意味②「手触りがなめらかでない。すべすべしていない。」
「粗い」の二つ目の意味は「手触りがなめらかでない。すべすべしていない。」です。
この場合の「粗い」は、「触り心地がよくない」という意味があります。例えば、「粗い肌」で「触り心地がよくない、ザラザラした肌」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・指の背に、家畜用ブラシのような粗い毛が十本ずつほどつっ立っている。
(出典:安部公房『第四間氷期』)
・表面の粗い木で作られたそれらの箱には「人形」と書かれていて、その文字も箱自体もずいぶん古いものらしかった。
(出典:乙一『夏と花火と私の死体』)
・そしてその中から、粗い肌をした舌が痙攣しながら伸びて出た。
(出典:吉村昭『羆』)
粗いの意味③「粗雑である。大ざっぱである。大まかである。」
「粗い」の三つ目の意味は「粗雑である。大ざっぱである。大まかである。」です。
この場合の「粗い」は、「仕上がりがあまりよくなく、雑」という意味があります。例えば、「粗く描いた絵」で「雑な絵」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・送られてきた地図には北海道の輪郭がごく粗く書かれていた。
(出典:和田はつ子『薬師』)
・画質が粗いので奇妙に思ったが、隅に書き込んである文面を見て納得した。
(出典:東野圭吾『幻夜』)
・一つ一つの行動が粗くならないように気をつける。
(出典:雨木シュウスケ『聖戦のレギオスI 眠りなき墓標群』)