米作
「米作地帯」などのように使う「米作」という言葉。
「米作」は、音読みで「べいさく」と読みます。
「米作」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「米作」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
米作の意味
「米作」には次の二つの意味があります。
1 米をつくること。
2 稲のみのりぐあい。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
米作の意味①「米をつくること。」
「米作」の一つ目の意味は「米をつくること。」です。
つまりは、稲の栽培と収穫をすることで、一言で言い換えると、稲作のことです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・水田米作をしないとすると、果樹や野菜の栽培にも力を入れる必要がある。
(出典:中谷宇吉郎『ケプロン・黒田の構想』について』)
・家では米作のほかワラを加工して縄を作り、神戸や大阪地方に売っていた。
(出典:植村直己『青春を山に賭けて』)
・米作だけでは食べていけない農家が多かった。
(出典:水木楊『田中角栄 その巨善と巨悪』)
・米作専門の農家ばかりで野菜を買うにはひと苦労である。
(出典:横光利一『夜の靴』)
・白米など眼にすることすらできない東京と比べて、その米作地の町が極楽にも思えた。
(出典:吉村昭『東京の戦争』)
米作の意味②「稲のみのりぐあい。」
「米作」の二つ目の意味は「稲のみのりぐあい。」です。
言い換えると、稲がどれだけ実ってたか、つまりは米の収穫量、あるいは収穫高のことです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・ところが今年は、特に北海道の米作は三分作とか四分作とかいう惨憺たる状態である。
(出典:中谷宇吉郎『農業物理学夜話』)
・米作の査定はたいへん正確なんですが、税金そのものは高くなってるらしいんです。
(出典:開高健『私の釣魚大全』)
・紙芝 方々で米作がひでえし。もつとも、いくら良くても、値が下がれば、同じ事か。
(出典:三好十郎『妻恋行』)
・米作は平年の収穫量のおよそ二割余にとどまったのである。
(出典:藤沢周平『漆(うるし)の実のみのる国(下)』)
・その上、今年はひどい水不足で、米作の憂いが深い。
(出典:伊藤整『太平洋戦争日記(三)』)