祭典
「祭典が開かれる」などのように使う「祭典」という言葉。
「祭典」は、音読みで「さいてん」と読みます。
「祭典」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「祭典」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
祭典の意味
「祭典」には次の二つの意味があります。
1 祭りの儀式。祭儀。
2 大がかりで、はなやかな行事。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
祭典の意味①「祭りの儀式。祭儀。」
「祭典」の一つ目の意味は「祭りの儀式。祭儀。」です。
つまりは、神仏や先祖を祭る儀式や祭祀のことを意味します。
そのような祭典を執り行う際には、伝統的な作法やしきたりなどが伴います。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・何よりもまず彼は条山神社での祭典当日のことを聞きたかった。
(出典:島崎藤村『夜明け前』)
・司教はブレ・ル・オーの祭典以来、彼に声をかけたことはなかった。
(出典:スタンダール/大久保和郎訳『赤と黒(下)』)
・仏教はこれに反して、その儀式葬時に始まり、死後の祭典供養を主とす。
(出典:井上円了『欧米各国 政教日記』)
・末社の霜宮にはこの日を始めにして、九月九日までの長期の祭典があった。
(出典:柳田国男『年中行事覚書』)
類語
・祭儀(さいぎ)
意味:神仏を祭る儀式。(出典:デジタル大辞泉)
・祭礼(さいれい)
意味:まつりの礼法、儀式。(出典:普及版 字通)
・祭祀(さいし)
意味:神や祖先を祭ること。(出典:デジタル大辞泉)
・儀式(ぎしき)
意味:公事・神事・祭事・慶弔などの、一定の作法・形式で執り行われる行事。(出典:デジタル大辞泉)
祭典の意味②「大がかりで、はなやかな行事。」
「祭典」の二つ目の意味は「大がかりで、はなやかな行事。」です。
こちらは①の意味とは異なり、神仏などを祀る意味合いはなく、大きな規模で行われる祝賀的なイベントを意味します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・オリュムピックの祭典ではつねに好成績を残し、優勝したことも何度かある。
(出典:酒見賢一『ピュタゴラスの旅』)
・特に、天覧競馬のレース当日などは、横浜中の祭典といってもよかった。
(出典:吉川英治『忘れ残りの記』)
・こんな内外の激動の時代に、夏の軽井沢では平和な祭典が行われた。
(出典:宮原安春『軽井沢物語』)
・松永弾正が意外な報告を受けたのは、この凄惨な血と肉の祭典が終ろうとするころであった。
(出典:山田風太郎『海鳴り忍法帖』)
類語
・祭り(まつり)
意味:集団による儀礼行動の一つ。本来は原始・古代宗教の集団儀礼を総称し、現代では文化的に一般化されて、祝賀的な社会行事を呼称するのによく使われる言葉となっている。(出典:世界大百科事典 第2版)
・フェスティバル(festival)
意味:祭り。祭典。催し物。(出典:デジタル大辞泉)
・盛事(せいじ)
意味:規模が大きくてりっぱな事柄。盛大な行事。(出典:デジタル大辞泉)
・催し物(もよおしもの)
意味:人を集めて行う、いろいろの会や演芸など。(出典:デジタル大辞泉)