痛憤
「ひどく痛憤した」などのように使う「痛憤」という言葉。
「痛憤」は、音読みで「つうふん」と読みます。
「痛憤」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「痛憤」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
痛憤の意味
「痛憤」には次の意味があります。
・大いに憤慨すること。 (出典:大辞林 第三版)
ひどく腹を立てて、嘆く様子を表します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・外山三郎がいつになく痛憤するのは、暑さのせいだろうと加藤は思った。
(出典:新田次郎『孤高の人』)
・まだ年若のひとりは、痛憤のあまりまだ幼さの残る両目に涙を浮かべて主張した。
(出典:中村彰彦『明治忠臣蔵』)
・孝一自身、妻の立場に立って考えてやったことが一度もないのを忘れて、孝一は痛憤した。
(出典:平岩弓枝『湯の宿の女』)
・会葬の場所でも誰も痛憤の言葉を発する者はなかった。
(出典:高見順『敗戦日記』)
・この決意と痛憤は、いまや弦之介の胸に炎をあげていた。
(出典:山田風太郎『忍法帖1 甲賀忍法帖』)
類語
・憤然(ふんぜん)
意味:激しく怒るさま。(出典:デジタル大辞泉)
・激する(げきする)
意味:怒りなどで興奮する。いきりたつ。(出典:デジタル大辞泉)
・慷慨(こうがい)
意味:世間の悪しき風潮や社会の不正などを、怒り嘆くこと。(出典:デジタル大辞泉)
・哮り立つ(たけりたつ)
意味:荒々しくほえさけぶ。盛んにほえる。(出典:大辞林 第三版)
・逆鱗(げきりん)
意味:はげしく怒ること。(出典:精選版 日本国語大辞典)