無闇
「無闇やたら」などのように使う「無闇」という言葉。
「無闇」は、音読みで「むやみ」と読みます。
「無闇」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「無闇」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
無闇の意味
「無闇」には次の二つの意味があります。
1 結果や是非を考えないで、いちずに物事をすること。また、そのさま。
2 物事の状態が度を超えて甚だしいさま。ひどい。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
無闇の意味①「結果や是非を考えないで、いちずに物事をすること。また、そのさま」
「無闇」の一つ目の意味は「結果や是非を考えないで、いちずに物事をすること。また、そのさま。」です。
「無暗やたら」などの場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・無闇に外に出ていって、またあの黒犬に襲われたらどうするつもりだったの?
(出典:奈須きのこ『月姫 白日の碧(シエル・トゥルーエンド)』)
・いつまでも持ち歩いていれば人の記憶に残るし、無闇な場所に置くのも危険。
(出典:内田康夫『後鳥羽伝説殺人事件』)
・無闇やたらにそこいら辺を歩きまわっただけでした。
(出典:田中英光『オリンポスの果実』)
・他人の言うことを封じようとして、無闇矢鱈に大きな声を出す人がいる。
(出典:青木雨彦『ことわざ雨彦流』)
・なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。
(出典:夏目漱石『坊っちゃん』)
無闇の意味②「物事の状態が度を超えて甚だしいさま。ひどい。」
「無闇」の二つ目の意味は「物事の状態が度を超えて甚だしいさま。ひどい。」です。
「度が過ぎる様子」という意味です。
「無暗に暑い」などの場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・眼鏡をかけた、鼻の無闇に大きな醜い女だった。
(出典:中島敦『かめれおん日記』)
・自分が育ったところも無闇となにもないところだったのだ。
(出典:桜坂洋『All You Need Is Kill』)
・無闇と飲み歩かないように、との通達が出たこともある。
(出典:永瀬隼介『デッドウォーター』)
・ゆっくりやってみたら、ただ無闇に間のびがするような気がして、落着かなくなった。
(出典:芥川比呂志『決められた以外のせりふ』)
・良く分からない火花が飛び散る中、何だ何だと無闇な人集りができていく。
(出典:伊都工平『天槍の下のバシレイス1 まれびとの棺 〈上〉』)