無双
「天下無双」などのように使う「無双」という言葉。
「無双」は、音読みで「むそう」と読みます。
「無双」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「無双」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
無双の意味
「無双」には次の三つの意味があります。
1 比較するものがないほどすぐれていること。並ぶものがないこと。二つとないこと。また、そのさま。
2 衣服の表裏や器具の内外を同じ布・材料を用いて同じように作ること。
3 相撲で、組んだ相手の膝ひざまたは腿ももに手を当て、自分のからだをひねって倒す技。(出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
無双の意味①「比較するものがないほどすぐれていること。並ぶものがないこと。二つとないこと。また、そのさま。」
「無双」の一つ目の意味は「比較するものがないほどすぐれていること。並ぶものがないこと。二つとないこと。また、そのさま。」です。
どんな勢力にも左右されず、圧倒的な力を発揮する様を「無双する」と表現します。
「無双」はこの意味で使うことが多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼はそのとき二十一歳になっていたが、すでに剛勇無双の噂がたかかった。
(出典:山田風太郎『信玄忍法帖』)
・そこが筆者の眼に古今無双の奇人兼、快人と見えたのだから仕方がない。
(出典:夢野久作『近世快人伝』)
・私たちのところにいろいろの詩集があるということは無双の宝ね。
(出典:宮本百合子『獄中への手紙』)
類語
・随一(ずいいち)
意味:多くのものの中の第一位。第一番。(出典:デジタル大辞泉)
・究極(きゅうきょく)
意味:物事をつきつめ、きわめること。また、その最後の到達点。(出典:デジタル大辞泉)
・至高(しこう)
意味:この上なく高く、すぐれていること。(出典:デジタル大辞泉)
無双の意味②「衣服の表裏や器具の内外を同じ布・材料を用いて同じように作ること。」
「無双」の二つ目の意味は「衣服の表裏や器具の内外を同じ布・材料を用いて同じように作ること。」です。
すべて一つの材料を用いて作った箪笥を「無双箪笥」といいます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・戸にはうちの見える一尺ほどの無双が付いていた。
(出典:宮本百合子『日は輝けり』)
・金が横に2枚並んだ形が最大の特徴であり、金無双及び二枚金という名称の由来となっている。
・現代は対丈で胴抜仕立てで袖は袷用の無双袖が主に使われている。
類語
・連なる(つらなる)
意味:たくさんのものが1列に並んで続く。切れずに続く。(出典:デジタル大辞泉)
・催合(もやい)
意味:寄り合うこと。(出典:百科事典マイペディア)
・結束(けっそく)
意味:ひもや縄などで結んで束にすること。(出典:デジタル大辞泉)
無双の意味③「相撲で、組んだ相手の膝ひざまたは腿ももに手を当て、自分のからだをひねって倒す技。」
「無双」の三つ目の意味は「相撲で、組んだ相手の膝ひざまたは腿ももに手を当て、自分のからだをひねって倒す技。」です。
相撲の決まり手で「内無双(うちむそう)」と「外無双(そとむそう)」があります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・相撲の決まり手や禁じ手を紹介する花相撲の定番演目である初切では、完全には決まらないが外無双を披露するシーンがある。
・右四つからの内無双や寄りを得意としたが、取り口は地味で、勝ち味も遅かったため幕内上位には進めなかった。
・外無双と比較すると力強さで劣るが、失敗時のリスクが少ない技である、そのために牽制技として内無双を使い、体勢を崩してから他の技につなげることもある。
類語
・決まり手(きまりて)
意味:相撲で勝負がついたときの,勝った側からみた決まり技。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
・掛け投げ(かけなげ)
意味:相撲の決まり手の一つ。四つでまわしを取り,右 (左) 足を内掛けにからみ,右 (左) 小手から抱え込んで,右 (左) 足をはね上げて投げ倒す。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
・寄り切り(よりきり)
意味:相撲の決まり手の一つ。四つ身になって寄りたて,相手が土俵ぎわで懸命にこらえるのを,さらに寄りつめて土俵外へ出す。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)