流石
「流石である」などのように使う「流石」という言葉。
「流石」は、訓読みで「さすが」と読みます。
「流石」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「流石」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
流石の意味
「流石」には次の二つの意味があります。
1 評判や期待のとおりの事実を確認し、改めて感心するさま。
2 あることを一応は認めながら、一方でそれと相反する感情を抱くさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
流石の意味①「評判や期待のとおりの事実を確認し、改めて感心するさま。」
「流石」の一つ目の意味は「評判や期待のとおりの事実を確認し、改めて感心するさま。」です。
「すごい」と褒めるような意味で使われます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・地方都市などはこういうことがないだろうから、流石、東京だと思った。
(出典:遠藤周作『ぐうたら人間学』)
・流石、と読者に膝を打たせるほどの光った随筆を書きたい様子なのである。
(出典:太宰治『作家の像』)
・君も流石だよ、頭に猫耳がついたままだ、皆見て見ぬふりをしているようだが。
(出典:沖田雅『先輩とぼく 04』)
・佐藤さんをかばいつつ、きっちり捕球している あたり姫は流石だった。
(出典:きゃんでぃそふと『つよきすACT E』)
類語
・然しもの(さしもの)
意味:さすがの。あれほど大した。(出典:デジタル大辞泉)
・やはり
意味:予測したとおりになるさま。案の定。(出典:デジタル大辞泉)
・案の定(あんのじょう)
意味:予想していたとおりに事が運ぶさま。(出典:デジタル大辞泉)
・感嘆(かんたん)
意味:感心してほめたたえること。(出典:デジタル大辞泉)
流石の意味②「あることを一応は認めながら、一方でそれと相反する感情を抱くさま。」
「流石」の二つ目の意味は「あることを一応は認めながら、一方でそれと相反する感情を抱くさま。」です。
「流石に〇〇」のように、あることをそのまま容認できないときに使われるのがこの意味です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・流石に四人もいれば一人ぐらいは頭の働く奴が混っているものだ。
(出典:東郷隆『(定吉七番シリーズ 4) ゴールドういろう』)
・この事実を初めて発見した時には流石の私も首をひねらせられた。
(出典:夢野久作『けむりを吐かぬ煙突』)
・声をかけた時は流石にびっくりしたがすぐにうつ伏して泣き出して終った。
(出典:子母沢寛『父子鷹 上巻』)
・あの服は流石にやりすぎかとも思っていたが、嵐君がノリの良い人でよかった。
(出典:沖田雅『先輩とぼく 02』)
類語
・幾らなんだって(いくらなんだって)
意味:いくらひどいとはいっても。(出典:デジタル大辞泉)
・と言えども(といえども)
意味:…とはいうものの。(出典:デジタル大辞泉)
・そうでも
意味:そうであっても。(出典:デジタル大辞泉)
・癖に(くせに)
意味:…にもかかわらず。(出典:デジタル大辞泉)