注進
「御注進に行く」などのように使う「注進」という言葉。
「注進」は、音読みで「ちゅうしん」と読みます。
「注進」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「注進」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
注進の意味
「注進」には次の意味があります。
・ 事件を書き記して上申すること。転じて、事件を急いで目上の人に報告すること。(出典:デジタル大辞泉)
「御注進に行く」であれば、「目上の人に事件を急いで報告する」という意味になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・座頭は鬼の首でもとったように、此事を陶方へ注進したのは勿論である。
(出典:菊池寛『厳島合戦』)
・鬼が出たという注進を聞いて、出動したこの家の人数はまだ戻って来ない。
(出典:中里介山『大菩薩峠』)
・城壁を果敢に攻めている両部隊はさかんに国王のもとに注進を出していた。
(出典:茅田砂胡『デルフィニア戦記 第4巻』)
・下宿人にすこしでも不審なところがあれば、すぐに御注進と飛んでくるさ。
(出典:服部まゆみ『一八八八 切り裂きジャック』)
・四人がマカオの港に置き去りにされた時、ぼくの所に清国人が注進に来た。
(出典:三浦綾子『海嶺(下)』)
類語
・告発(こくはつ)
意味:犯罪とは直接関係のない者が、捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の訴追を求めること。(出典:デジタル大辞泉)
・報告(ほうこく)
意味:告げ知らせること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・通報(つうほう)
意味:告げ知らせること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・急告(きゅうこく)
意味:急いで告げ知らせること。(出典:デジタル大辞泉)
・言上(ごんじょう)
意味:目上の人に述べること。申し上げること。(出典:精選版 日本国語大辞典)