比翼連理
「その様子は比翼連理だ」などのように使う「比翼連理」という言葉。
「比翼連理」は、音読みで「ひよくれんり」と読みます。
「比翼連理」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「比翼連理」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
比翼連理の意味
「比翼連理」には次の意味があります。
・男女の仲がむつまじいことのたとえ。男女の深いちぎり。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「比翼」は空想上の鳥で、一目一翼の雌雄が常に一体で飛ぶといわれています。
また「連理」は2本の木の枝が1本に重なって、木目さえも続いていることを指します。
どちらも男女の仲の深さを表しているため「男女の深いちぎり」という意味になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ぼくと小佐内さんは互恵関係にあるが、依存関係にはなく、まして比翼連理の類では全くない。
(出典:米澤穂信『小市民シリーズ1 春期限定いちごタルト事件』)
・自分の「彼女」の眼差しの意味を完全に理解できた「彼氏」はほとんどいなかったが、無意識、本能に近い部分で彼らは、現在の、あるいは未来の恋人の目を奪っているのが、あの夢幻の如く美しい少女だけでなく、少女と、その対面に座る少年の、比翼連理の一対だと理解していた。
(出典:佐島勤『魔法科高校の劣等生 5 夏休み編+1』)
・そこでこの奇妙な新婦新郎は、誰も知らない秘密に更に快い興奮を加えつつ、翠帳紅閨に枕を並べて比翼連理の語らいに夜の短かさを嘆ずることとはなった。
(出典:丘丘十郎『ヒルミ夫人の冷蔵鞄』)
・そして終りにまた彼の現在の財産目録が、山は幾ら畑は幾ら諸果樹の見積価格とそれ等から生じる年々の収入は幾らという風に巨細にわたってしたためられ、これ等すべてを二人がやがて比翼連理の契りをかわした暁、花鳥風月の清遊を恣にする別荘地として「そこ許様に提供致すべく候」と結んであった。
(出典:中山義秀『碑・テニヤンの末日』)
・仏尊、天界の神々、仙人、神獣、五嶽真形図から比翼連理の鳥と枝に至るまで、あらゆる縁起物が屋敷中に飾られ、掛け軸となり、置物となって屋敷の主を寿いでいる。
(出典:仁木英之『僕僕先生』)
類語
・杯事(さかずきごと)
意味:約束を固めるために、杯をとりかわして、酒を飲むこと。主に、結婚式で、新郎、新婦が三々九度の杯をとりかわし、夫婦のちぎりを結ぶ儀式をさしていう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・鴛鴦の契り(えんおうのちぎり)
意味:むつまじい夫婦の関係。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・偕老同穴(かいろうどうけつ)
意味:夫婦が、最後まで連れそいとげること。夫婦の契りの堅いこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・許婚(きょこん)
意味:婚約をすること。いいなずけ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・縁付く(えんづく)
意味:嫁に行く。とつぐ。また、婿入りする。(出典:デジタル大辞泉)