次元
「次元が違う」などのように使う「次元」という言葉。
「次元」は、音読みで「じげん」と読みます。
「次元」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「次元」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
次元の意味
「次元」には次の三つの意味があります。
1 数学で、一般的な空間の広がり方の度合いを表すもの。
2 物理量を長さ・時間・質量の積の形で表示したもの。
3 物事を考えたり行ったりするときの立場。また、その程度や水準。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
次元の意味①「数学で、一般的な空間の広がり方の度合いを表すもの」
「次元」の一つ目の意味は「数学で、一般的な空間の広がり方の度合いを表すもの」です。
数学の文脈では座標の数を表します。
直線は1次元、平面は2次元、空間は3次元です。
実際に見ることはできませんがn次元といった3次元以上も考えることができます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そこには異次元に開いた戸口を通って灰色のものがしみ出ていたはずだ。
(出典:ムーア『異次元の女王―ノースウェスト・スミス』)
・二次元より一級上の世界の生物だから分るのです。 だからあなたがたは、四次元の世界の構造を見ることはできないのです。
(出典:海野十三『ふしぎ国探検』)
・しかし〝漂流者〟、お前の言葉を信用するわけにはいかない。 物質の身でありながら次元を超えた者を人間と称すべきではないからだ。
(出典:谷川流『電撃!!イージス5 第02巻』)
類語
・ディメンション
意味:次元(出典:デジタル大辞泉)
・座標軸(ざひょうじく)
意味:座標を決めるための基準となる数直線。(出典:デジタル大辞泉)
・レベル
意味:準。質的あるいは数値的に全体としてどの程度の高さにあるかとみたときの、その高低の度合い。(出典:デジタル大辞泉)
次元の意味②「物理量を長さ・時間・質量の積の形で表示したもの」
「次元」の二つ目の意味は「物理量を長さ・時間・質量の積の形で表示したもの」です。
m(メートル)、s(second,秒)、kg(キログラム)の3つの単位を基準にすることで様々な物理量の単位を表せます。
これらに電流のA(アンペア)をあわせてMKSA単位系などがよく使われます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・次元が合わない物理量は足し算することができません。
・指数関数の肩には無次元量が入ります。
類語
・単位(たんい)
意味:ものの量をはかるための基準として定められた量(出典:デジタル大辞泉)
次元の意味③「物事を考えたり行ったりするときの立場」
「次元」の三つ目の意味は「物事を考えたり行ったりするときの立場」です。
人同士のコミュニケーションの文脈で使われることが多いです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・文学とは、黄山谷や蘇東坡の作品に見られるような、珍しいこと、不思議なこと、人の心を惹きつけるようなことを書くものであり、常識人の記録ではなく、酔っぱらいの妄語か、眠った人のうわ言の類だという。 世間常識の人の文とは次元の違ったところに成立するとの主張である。
(出典:井本農一『芭蕉=その人生と芸術』)
・そして普通の人間には、レベリオンは倒せない。 猫ねこが虎とらに勝てないのと同じように、二つの種は存在する次元が違うのだ。
(出典:三雲岳斗『レベリオン 第02巻』)
・ 絶対的現在としての永遠性こそが、論理学が展開する絶対知の次元である。
(出典:細川亮一『ハイデガー入門)
類語
・程度(ていど)
意味:物事の性質や価値を相対的にみたときの、その物事の置かれる位置。他の物事と比べた際の、高低・強弱・大小・多少・優劣などの度合い。(出典:デジタル大辞泉)
・水準(すいじゅん)
意味:事物の一定の標準。また、価値・能力などを定めるときの標準となる程度。(出典:デジタル大辞泉)
・階層(かいそう)
意味:社会的、経済的地位がほぼ同じ程度の人々の集団。職業・収入・財産・学歴・年齢などが基準となって、格づけ・識別される。(出典:デジタル大辞泉)