棟梁
「大工の棟梁」などのように使う「棟梁」という言葉。
「棟梁」は、音読みで「とうりょう」と読みます。
「棟梁」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「棟梁」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
棟梁の意味
「棟梁」には次の二つの意味があります。
1 ある集団の中心となる人。指導的立場にある人。
2 大工のかしら。工匠の親方。 (出典:日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
棟梁の意味①「ある集団の中心となる人。指導的立場にある人。」
「棟梁」の一つ目の意味は「ある集団の中心となる人。指導的立場にある人。」です。
「武士の棟梁」で「武士のリーダー」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・武士の棟梁である将軍の京都復帰という多分に政治的な武力行為である。(出典:池宮彰一郎『本能寺(上)』)
・光秀は若い日から、武士の棟梁は征夷大将軍であると信じていた。(出典:茶屋二郎『遠く永い夢(上)-本能寺 信長謀殺の真実』)
・家康が征夷大将軍になった時、将軍というものは源氏の棟梁でなければならないと考えた。(出典:豊田穣『飛行機王・中島知久平』)
・だって棟梁になるには、金もいれば器量もいるんですから。(出典:藤沢周平『よろずや平四郎活人剣(下)』)
類語
・リーダー
意味:先頭に立ってみんなを引っぱっていく人。先導者。(出典:日本国語大辞典)
・主将(しゅしょう)
意味:全軍を指揮する総大将。(出典:日本国語大辞典)
・首長(しゅちょう)
意味:集団・団体を統率する長。(出典:日本国語大辞典)
・キャプテン
意味:スポーツのチームの主将。(出典:日本国語大辞典)
棟梁の意味②「大工のかしら。工匠の親方。」
「棟梁」の二つ目の意味は「大工のかしら。工匠の親方。」です。
わかりやすく言えば「大工の親分」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼は広島の人で大工の棟梁をしながら全国の窯元をまわっているのだという。(出典:時実新子『言葉をください 新子の川柳エッセイ』)
・年々の工事に関しても、大工棟梁の云うままになると莫大な金がかかる。(出典:松本清張『鬼火の町 新装版』)
・下忍だけだ。中忍は現場の棟梁だし、上忍に至っては現場へゆくことさえ稀である。(出典:隆慶一郎『一夢庵風流記』)
・鉄鎚をお持ちの時、手をついていた富棟梁が、つッとあとへ引きました。(出典:泉鏡花『ピストルの使い方』)
類語
・親方(おやかた)
意味:職人・弟子・奉公人などを指導・保護する立場にある人。(出典:デジタル大辞泉)
・親分(おやぶん)
意味:かしらとして上に立て、皆が親のように頼りにする人(出典:精選版 日本国語大辞典)
・監督(かんとく)
意味:指図をしたり見張ったりして、取り締ること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・社長(しゃちょう)
意味:会社の業務執行の最高責任者。(出典:デジタル大辞泉)