根こそぎ
「根こそぎにする」などのように使う「根こそぎ」という言葉。
「根こそぎ」は、訓読みで「ねこそぎ」と読みます。
「根こそぎ」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「根こそぎ」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
根こそぎの意味
「根こそぎ」には次の意味があります。
・根まですっかり抜き取ること。転じて、残すところなく、すべてすること。また、副詞的に、余すところなく、ことごとくの意にも用いる。ねこそげ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「根こそぎにする」といった使い方と、「根こそぎ取り去る」といった副詞的な使い方もあります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・しかし、宗教は本来の性質を根こそぎにすることはできなかったのです。
(出典:シャーロット・ブロンテ /大井浩二訳『ジェイン・エア(下)』)
・わたしの生き方とか存在感を根こそぎにされるほどの衝撃を受けたのよ。
(出典:森瑤子 『秋の日のヴィオロンのため息の』)
・そういうわけで、持っているものは根こそぎとられてしまったんです。
(出典:古今亭志ん生 『なめくじ艦隊 志ん生半生記』)
・畑や、庭のありとあらゆる緑の植物は、根こそぎだめになってしまった。
(出典:モンゴメリ /神山妙子訳『アンの青春』)
・まだ青い葉をつけているのに、なぜ根こそぎ倒れて流れて来たのか。
(出典:佐木隆三 『旅人たちの南十字星(逃亡射殺 に改題)』)
・でも、今までのやり取りでそんなエネルギーなんて根こそぎ奪われてる。
(出典:沖田雅 『先輩とぼく 2』)
・この調子ではパリ組も根こそぎ参るにちがいないと思ってよろこんでいた。
(出典:久生十蘭 『だいこん』)
・骨ばかりか、理性も意志も根こそぎにされたように輝子には思われた。
(出典:三浦綾子 『ひつじが丘』)