東雲
「東雲の空」などのように使う「東雲」という言葉。
「東雲」は、訓読みで「しののめ」と読みます。
「東雲」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「東雲」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
東雲の意味
「東雲」には次の意味があります。
・夜が明けようとして東の空が明るくなってきたころ。あけがた。あけぼの。(出典:デジタル大辞泉)
日本の古語で、暗闇から光へと移行する夜明け前に茜色にそまる空を意味しています。
また、東京都江東区南部の東京湾の埋立て地の名前でもあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・東雲の大鼓が鳴り護国の大鼓が鳴る、それを聞いては起きずにはゐられない。
(出典:種田山頭火『松山日記』)
・軽い風が東雲の空から吹き、明け切らない草の露が、彼等の足を、ぬらした。上天気になるらしい。
(出典:宮本百合子『古き小画』)
・駅のプラットフォームのまだどこやら寒く重たい軒のかなたに東雲が見えた。
(出典:宮本百合子『一九三二年の春』)
・海戰は午前二時三十分に始つて、東雲の頃まで終らなかつた。
(出典:押川春浪『海島冒険奇譚 海底軍艦』)
・しかし空の一角に、燈火の照りかえしか、東雲の光か、何か燃えているものがある。
(出典:ウルフ/鈴木幸夫訳『波』)
類語
・茜色(あかねいろ)
意味:アカネの根で染めた色。わずかに黄みを帯びた沈んだ赤色。暗赤色。
(出典:大辞林 第三版)
・早暁(そうぎょう)
意味:明け方。払暁(ふつぎょう)。(出典:デジタル大辞泉)
・朝焼け(あさやけ)
意味:日の出のころに東の空が赤く染まって見えること。(出典:デジタル大辞泉)
・春暁(しゅんぎょう)
意味:春の明け方。(出典:デジタル大辞泉)
・明け遣らぬ(あけやらぬ)
意味:まだ夜が明けきっていない。(出典:デジタル大辞泉)