有名無実
「すでに有名無実」などのように使う「有名無実」という言葉。
「有名無実」は、音読みで「ゆうめいむじつ」と読みます。
「有名無実」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「有名無実」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
有名無実の意味
「有名無実」には次の意味があります。
・ 名だけがあって、その実質のないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「有名無実」を分かりやすくいうと、名前ばかりでそれほどの実質や価値がないことです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・しかしこれは有名無実化していて、八割方の生徒はそれをつけていない。
(出典:米澤穂信『小市民シリーズ3-1 秋期限定栗きんとん事件〈上〉』)
・特に幕末頃から明治にかけての時代は、有名無実と化していた行法だ。
(出典:梅原克文『カムナビ(下)』)
・そもそも隠密という前提自体、すでに有名無実と化した可能性が高い。
(出典:福井晴敏『終戦のローレライ(上)』)
・交通法規が有名無実になったため、市内の各地で交通事故も頻発していた。
(出典:梅原克文『カムナビ(下)』)
・兵馬の大権が天皇にあるということぐらい、有名無実なことはなかったのである。
(出典:五味川純平『御前会議』)
類語
・名許り(なばかり)
意味:名目に内容がともなわないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・見掛け倒し(みかけだおし)
意味:外見はすぐれているが、実質は劣っていること。(出典:デジタル大辞泉)
・看板倒れ(かんばんだおれ)
意味:見せかけだけで、内容がそれに伴わないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・羊頭狗肉(ようとうくにく)
意味:表面と内容とがくいちがうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・こけおどし
意味:見せかけはりっぱだが、中身のないこと。(出典:デジタル大辞泉)