文句
「文句を言う」などのように使う「文句」という言葉。
「文句」は、音読みで「もんく」と読みます。
「文句」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「文句」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
文句の意味
「文句」には次の三つの意味があります。
1 文章中の語句。文言。
2 歌謡などで、メロディーに対して歌詞をいう。
3 相手に対する言い分や苦情。不服。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
文句の意味①「文章中の語句。文言。」
「文句」の一つ目の意味は「文章中の語句。文言。」です。
例えば、「手紙の文句を読む」で「手紙に書いてある文言を読む」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・しかし、この第一の文句と、第二の文句とが、どうもうまくつづかない。
(出典:江戸川乱歩『怪奇四十面相』)
・私も日に三度は彼に礼を尽して、経を読むのじゃ、ここにその文句がある。
(出典:作者不詳『現代語訳 平家物語』)
・前の文句も後の文句も全く同じことが書いてあります。
(出典:海野十三『怪塔王』)
文句の意味②「歌謡などで、メロディーに対して歌詞をいう。」
「文句」の二つ目の意味は「歌謡などで、メロディーに対して歌詞をいう。」です。
この場合の「文句」を分かりやすく説明すると、「歌の歌詞」という意味があります。例えば、「歌謡曲の文句」は「歌謡曲の歌詞」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・従来の民謡の文句がいかに気の利いたものであるかを忘れてはいけない。
(出典:兼常清佐『勝太郎』)
・国定教科書にあったのか小学唱歌にあったのか、少年の時に歌った歌の文句が憶い出された。
(出典:梶井基次郎『城のある町にて』)
・そして不幸にして三味線の唄の文句は、ニッポンの文学の中でも一番拙劣なものの例の一つに数えていいでしょう。
(出典:兼常清佐『ニッポン音楽』)
文句の意味③「相手に対する言い分や苦情。不服。」
「文句」の三つ目の意味は「相手に対する言い分や苦情。不服。」です。
例えば、冒頭の例文である「文句を言う」は「苦情や不服を言う」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・最後まで戦い、死に望んでも一言も文句を言わず、生涯を閉じかねない。
(出典:ホワイト・フレッド・M『煉獄』)
・紙幣を出す時、その辺が極めて僅かでも裂けていると、文句をいわれる。
(出典:モース・エドワード・シルヴェスター『日本その日その日』)
・いやな仕事に違いないのに、いやな顔をするでもなし、文句をいうでもなかった。
(出典:石川欣一『比島投降記』)