教唆
「教唆扇動」などのように使う「教唆」という言葉。
「教唆」は、音読みで「きょうさ」と読みます。
「教唆」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「教唆」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
教唆の意味
「教唆」には次の二つの意味があります。
1 他人をそそのかすこと。けしかけること。扇動すること。哄唆。
2 犯意のない他人をそそのかして犯罪を行なわせること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
教唆の意味①「他人をそそのかすこと。けしかけること。扇動すること。哄唆。」
「教唆」の一つ目の意味は「他人をそそのかすこと。けしかけること。扇動すること。哄唆。」です。
「教唆扇動」で「他人をそそのかし、あることをするように仕向けること」を意味する四字熟語になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そうなると自分は支援、指導もしくは教唆したとして、ただではすむまい。
(出典:豊田穣『革命家・北一輝』)
・同時に、新聞記事については暴動教唆の記事を同じく勅令をもって禁止した。
(出典:松本清張『小説東京帝国大学(下)』)
・これも、多少薬学の知識があるのに目を付けた、仲間たちが教唆したためである。
(出典:泡坂妻夫『亜愛一郎の転倒 (亜愛一郎シリーズ2)』)
・一家の害悪を止むるに非ずして却てこれを教唆するものなり。
(出典:福沢諭吉『女大学評論』)
類語
・扇動(せんどう)
意味:気持ちをあおり、ある行動を起こすようにしむけること。アジテーション。(出典:デジタル大辞泉)
・アジテーション
意味:強い調子の文章や演説などによって人々の気持ちをあおり、ある行動を起こすようにしむけること。扇動。アジ。(出典:デジタル大辞泉)
・焚き付ける(たきつける)
意味:人をそそのかして何かをさせる。けしかける。(出典:デジタル大辞泉)
・喚起(かんき)
意味:呼び起こすこと。呼び覚ますこと。(出典:デジタル大辞泉)
教唆の意味②「犯意のない他人をそそのかして犯罪を行なわせること。」
「教唆」の二つ目の意味は「犯意のない他人をそそのかして犯罪を行なわせること。」です。
この意味では犯罪行為に対して使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・しかしとにかく天人ともに許さざる犯罪の教唆にはちがいない。
(出典:山田風太郎『明治十手架(上) 山田風太郎明治小説全集13』)
・これではまるで犯罪を教唆するようなものだ。
(出典:横溝正史『悪魔の設計図』)
・殺害の現場にはいなかったけれど、教唆はしたかもしれない。
(出典:内田康夫『贄門島(にえもんじま)下』)
・それでみるとあきらかに、男が女に殺人を教唆しているのである。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 横溝正史 「扉の影の女」 v0.9』)
類語
・指嗾(しそう)
意味:人に指図して、悪事などを行うように仕向けること。指図してそそのかすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・煽て(おだて)
意味:おだてること。(出典:デジタル大辞泉)
・プロパガンダ
意味:広く触れ知らせること。宣伝。多く思想や教義などの宣伝をいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・指金・差金(さしがね)
意味:背後で人を指図して動かすこと。陰で人をあやつること。(出典:精選版 日本国語大辞典)