救済
「弱者のための救済措置」などのように使う「救済」という言葉。
「救済」は、音読みで「きゅうさい」と読みます。
「救済」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「救済」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
救済の意味
「救済」には次の二つの意味があります。
1 苦しむ人を救い助けること。
2 神や仏の側からさしのべられる救い。キリスト教では、人間を罪や悪から解放し、真実の幸福を与えること。救い。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
救済の意味①「苦しむ人を救い助けること。」
「救済」の一つ目の意味は「苦しむ人を救い助けること。」です。
困っている人などに、手を差し伸べて助ける、という意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・こういう状態を一時的ではあるが救済する方法として、書くという作業がある。
(出典:宮脇俊三『汽車旅12カ月』)
・避難民を一地区に収容し、その整理と救済の事業が始められてゐるのである。
(出典:岸田国士『従軍五十日』)
・貧しい人や困っている人を救済しつづけたことで、ある町に銅像がたった。
(出典:姫野カオルコ『受難』)
・俺の、人々の、その時受けた哀しみと怒りと苦痛は決して救済されない。
(出典:浅井ラボ『されど罪人は竜と踊る』)
・醜態を晒さなくてもいい、という意味ではある種、救済の側面もあるが。
(出典:入間人間『電波女と青春男 第3巻』)
救済の意味②「神や仏の側からさしのべられる救い。キリスト教では、人間を罪や悪から解放し、真実の幸福を与えること。救い。」
「救済」の二つ目の意味は「神や仏の側からさしのべられる救い。キリスト教では、人間を罪や悪から解放し、真実の幸福を与えること。救い。」です。
この意味の「救済」は宗教的な言葉として使います。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・そのつぎの日、彼は救済院を出て行って、それきり会ったことがない。
(出典:ルソー/桑原武夫訳『告白(上)』)
・キリストは全ての人を救済しようと思われたのです。又全て救済された人々に対しても、同じ距てのない愛を注いだのです。
(出典:キェルケゴオル/芳賀檀訳『愛について』)
・つまり、繰り返すが、キリスト教では歴史的事件が救済の根拠なのである。イエスが存在し、死に、復活したから人間は救われる。
(出典:八木誠一『キリストとイエス―聖書をどう読むか』)
・これは弟子たちの救済の出来事であり、同時に啓示の出来事である。
(出典:八木誠一『キリストとイエス―聖書をどう読むか』)
・なにしろユダヤ人はイエス・キリストを救済者として認めなかったのだから。
(出典:フロイト/渡辺哲夫訳『モーセと一神教』)