推す
「委員としてAさんを推す」などのように使う「推す」という言葉。
「推す」は、訓読みで「おす」と読みます。
「推す」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「推す」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
推すの意味
「推す」には次の二つの意味があります。
1 適当な人・物を推薦する。
2 ある事から他の事を推測する。(出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
推すの意味①「適当な人・物を推薦する。」
「推す」の一つ目の意味は「適当な人・物を推薦する。」です。
この意味の「推す」を簡単にいうと、「誰かに何か(人や物など)をおススメすること」です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・自分が聴衆だったら、やはり誰が相手だろうと彼女を推したに違いない。
(出典:林トモアキx上田夢人『戦闘城塞マスラヲ 「私を地中海に@連れてって」』)
・これは考えた中では、それほど強く推すつもりのない一品だったのだが。
(出典:西尾維新『刀語 02 第二話 斬刀・鈍』)
・他にわけがあるにせよ、良人が安藤を推したのは、意外なことであった。
(出典:矢田津世子『女心拾遺』)
・もともと努力型のパンで、企業努力という点では第一位に推すことができる。
(出典:東海林さだお『タコの丸かじり』)
類語
・薦める(すすめる)
意味:ある人や物をほめて、採用するように説く。(出典:デジタル大辞泉)
・推挙(すいきょ)
意味:ある人をある官職・地位・仕事などに適した人として推薦すること。(出典:デジタル大辞泉)
・支持(しじ)
意味:ある意見・主張などに賛成して、その後押しをすること。(出典:デジタル大辞泉)
・推薦(すいせん)
意味:よいものとして人にすすめること。(出典:デジタル大辞泉)
推すの意味②「ある事から他の事を推測する。」
「推す」の二つ目の意味は「ある事から他の事を推測する。」です。
わかりやすく言うと「何かを手掛かりに、ほかの物事の見当をつける」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ ただ、状況から推して、この二人で間違いないだろうという空気はある。
(出典:宮部みゆき『模倣犯 下』)
・彼は、死体の傷の様子から推して到達した彼と医者との結論を話した。
(出典:クリスティ/古賀照一訳『オリエント急行殺人事件』)
・ところがお前さんの言葉つきで推すと、そんな心配は入らなそうだね。
(出典:国枝史郎『天主閣の音』)
・五万とか十万という金額は、相手の服装から推して、無理かもしれない。
(出典:津村秀介『湖畔の殺人』)
類語
・推察(すいさつ)
意味:物事の事情や他人の心中をあれこれ考え思いやること。(出典:大辞林 第三版)
・推測(すいそく)
意味:ある事柄や情報に基づいて、おしはかって考えること。推量。 (出典:大辞林 第三版)
・見做す(みなす)
意味:判断してそうと決める。(出典:デジタル大辞泉)
・割りだす(わりだす)
意味:ある根拠を基にして結論を導き出す。(出典:大辞林 第三版)